−たい(た)(tai4)−
・大胆不敵(だいたんふてき) 大胆で敵するものがないこと。何者をも恐れないこと。大胆で物に動じない様子。 例:「大胆不敵な面魂」
・橙の数(だいだいのかず) 毎年毎年、正月に橙を飾るところから、年の数のこと。年齢。
・大団円(だいだんえん) 小説や劇などの終わり、または最終のこと。特に、最後がめでたく収まること。 類:●大切り●大詰め●終局●大尾(だいび)●カタストロフィ ★「大」は、程度が甚だしい意の接頭語。「団円」は、丸い円のことで、転じて、欠けることなく完全に終わること。
・大地に槌(だいちのつち) 大地を槌で打つということで、絶対に失敗しないことの喩え。確実なこと。 類:●槌で大地を叩く●地を打つ槌
・大智は愚なるが如し(だいちはぐなるがごとし) 真の知恵者は思慮深くて、利口ぶったりしないので、一見すると愚者のように見えるものである。 類:●大欲は無欲に似たり 出典:蘇軾「欧陽少師の到仕するを賀するの啓」「大勇若怯、大智如愚」」 ★小賢(こざか)しい人知を否定する老子の思想に基づいた言葉。
・大地を見抜く(だいちをみぬく) 非常に優れた眼識で、ものごとの裏まで見通す。
・大椿(だいちん) 中国、古伝説上の大木の名。八千年を春とし、八千年を秋とし、三万二千年が人間の一年に当たるという。転じて、長寿を祝って用いる言葉。 類:●椿寿 出典:「荘子−逍遥遊」
・大抵にする(たいていにする) 好い加減なところ止(や)めておく。ほどほどにする。 類:●大概にする●大方にする
・大抵や大方(たいていやおおかた) 1.普通でない様子や状況について言う。非常に。酷(ひど)く。 用例:伎・幼稚子敵討−口明「大ていや大方に厭らしうて厭らしうて」 2.多く、下に打消しの語句を伴って使う。大概。大体。一通りの。普通に。並々。 用例:浄・艶容女舞衣−七「善右衛門といふやつが大ていや大かた悪いやつじゃない」 用例の出典@:幼稚子敵討(おさなごのかたきうち) 歌舞伎。並木正三。宝暦3年(1753)。・・・詳細調査中。 用例の出典A:艶容女舞衣(はですがたおんなまいぎぬ) 浄瑠璃。世話物。3巻6段。竹本三郎兵衛・豊竹応律・八民平七の合作。安永元年(1772)大坂豊竹座初演。三勝半七の心中事件を脚色したもの。下の巻の上塩町が「酒屋の段」として有名。「酒屋」。
・大敵と見て恐れず、小敵と見て侮らず(たいてきとみておそれず、しょうてきとみてあなどらず) 敵が強そうだからといって、恐れて怯(ひる)んではいけない。敵が弱そうだからといって、見縊(みくび)って油断してはいけないということ。 類:●大敵を見ては欺き小敵を見ては畏れよ ★明治15年(1882)1月15日、明治天皇が発布した「軍人勅諭」にある言葉。「小敵たりとも侮らす、大敵たりとも懼れす、己か武職を尽さむこそ誠の大勇にはあれされは」
・大同小異(だいどうしょうい) 大体は同じで、少しだけ違っていること。細かな部分は異なっているが、全体としては似たり寄ったりであること。 類:●似たり寄ったり●どっこいどっこい●五十歩百歩 出典:「荘子−天下」「大同而与小同異、此之謂小同異。万物畢同畢異、此之謂大同異」
・大道廃れて仁義有り(だいどうすたれてじんぎあり)[=行わる] 大道が自然に行われていた太古は、特に仁義を説く必要はなかったが、後世道徳が廃れてきて、仁義が必要になり提唱されるようになった。仁義が必要なのは、大道が失われたからであるということ。 ★儒教の仁義説を非難した言葉<大辞林(三)> 出典:「老子−一八章」
・大同団結(だいどうだんけつ) 多くの団体や党派が、小さな意見の違いを越えて、一つの目的のもとに一致し団結すること。
・大徳は小怨を滅ぼす(だいとくはしょうえんをほろぼす) 恩恵が甚大であれば、小さな怨(うら)みなどは、自然に消えてなくなってしまうものである。 類:●怨みに報ゆるに徳を以ってす 出典:「春秋左氏伝−定公五年」「王曰く、大徳あるときに小怨を滅ぼすは道なり」