−たい(な)(tai5)−
・鯛なくば狗母魚(たいなくばえそ)[=] 相応(ふさわ)しいものがないときは、少々劣っていても、代わりのもので我慢するより仕方がないということ。
・台無し(だいなし) 1.ものごとがすっかり駄目になること。壊れたり汚れたりして役に立たなくなること。 用例:洒・傾域買二筋道三篇宵の程−一「袖をだいなしに濡らした。サア着せかへましょ」 ★「台」は、仏像の台座のこと。 2.後に打ち消しの表現または否定的な内容の語を伴って、すっかり。全然。まるで。 用例:伎・名歌徳三舛玉垣−三立「御覧じませ、お客へ上る茶がだいなし水になりました」 用例の出典@:宵の程(よいのほど) 洒落本。梅暮里谷峨。傾域買二筋道の三篇。寛政12年(1800)。 用例の出典A:名歌徳三舛玉垣(めいかのとくみますのたまがき) 歌舞伎。時代物。3幕。桜田治助。享和元年(1801)江戸河原崎座初演。平安時代、文徳(もんとく)天皇の第一皇子惟喬(これたか)親王と、第二皇子惟仁(これひと)親王との皇位継承争いを脚色。皇位を継ぐことに決定した惟仁親王に反対して、惟喬親王側の従臣たちが神璽(しんじ)・神鏡を奪うなどするが、結局は惟仁即位となる。
・大なり小なり(だいなりしょうなり)・大なれ小なれ 大きいにしろ小さいにしろ。大小に拘(かか)わらず。兎も角も。 用例:浄・曾我五人兄弟−四「大なれ小なれ御身は曾我の世継也」
・大の男(だいのおとこ) 1.大きな男。大男。 2.一人前の男。成人した立派な男。 例:「大の男がめそめそ泣くな」
・鯛の尾より鰯の頭(たいのおよりいわしのあたま)
・大の字(だいのじ) 1.「大」という字。また、「大」の字に形が似たもの。特に、人が両手両足を広げて大の字なりに寝た形を指す。 例:「大の字になって寝る」 2.「大文字の火」のこと。昔は7月、今は8月の16日の夜、盂蘭盆(うらぼん)の行事として、京都、東山の如意ケ岳(にょいがたけ)の西側の斜面に薪を積み並べ火を点じて大の字形を表わす送り火。また、北区の衣笠山でも同じ時に大文字の火が焚かれるが、これは左大文字と呼ばれる。 類:●大文字(だいもんじ) 3.遊女が客と床に就くこと。
・大の虫を生かして小の虫を殺す(だいのむしをいかしてしょうのむしをころす) どうしても止むを得ないときには、大きなものを救うために、小さなものを犠牲にする。 類:●小の虫を殺して大の虫を助ける