−たく(taku)−
・沢庵の重石に茶袋(たくあんのおもしにちゃぶくろ) 少しも効き目がないことの喩え。 類:●糠に釘●豆腐に鎹●暖簾に腕押し
・沢山(たくさん) 1.数量的に多いこと。多数、多量。 用例:平家−八「宿々に十石づつの米ををかる。たくさんなるによって、施行にひきけるとぞ聞えし」 2.十分なこと。また、十分でそれ以上は要(い)らない状態。 類:●結構●お腹一杯 用例:洒・道中粋語録「十七八もくへば沢山だもし」 例:「お前の自慢話はもう沢山だ」 3.必要以上に多過ぎること。転じて、大事にしないこと。蔑(ないがし)ろ。ぞんざい。 用例:浮・日本新永代蔵−一「藁一すぢにても、沢山にすべき事にあらず」 用例の出典@:軽井茶話道中粋語録(かるいさわどうちゅうすごろく) 洒落本。山手馬鹿人(大田南畝)。安永9年(1780)。軽井沢の宿場遊女を題材にしたもの。 用例の出典A:日本新永代蔵(にっぽんしんえいたいぐら) 浮世草子。鳳条(北条)団水。正徳3年(1713)。6巻。団水の遺稿集で代表作。目録に暖簾を描く形態やその文句、内容まで、悉くに西鶴の『日本永代蔵』の模倣がみられるが、西鶴作品に比べると教訓的言辞がかなり多い。「今世長者鑑」。
・逞しくする(たくましくする)・逞しゅうする 1.他人から制約を受けることなく、思うままに行なう。 類:●縦(ほしいまま)にする 2.盛んな勢いでする。 例:「想像をたくましゅうする」 用例:太平記−二六「奇麗の壮観を逞(タクマシ)くせり」