−たん(か)(tan2)−
・啖呵売り(たんかうり) 啖呵を切って品物を売ること。口上を述べ立てて物を売ること。威勢よく効能を述べて物を売ること。また、その人。 類:●香具師(やし) ★「啖呵」は、「弾呵(だんか)」か。「痰火(たんか)」の転とする説もある<大辞林(三)>
・胆が座る(たんがすわる) ものごとに動じないようになる。 類:●肝が据わる●肝が太い
・丹果の唇(たんかのくちびる) 「丹果」は、赤い果実。特に頻婆果(びんばか)のこと。仏の唇のことを赤い果実に喩えて形容したもの。
・丹花の唇(たんかのくちびる)[=口付(くちつ)き] 赤い花のように、赤く美しい唇。美人の唇の喩え。 類:●朱唇 ★「丹果(たんか)の唇」の転用か<国語大辞典(小)>
・痰火を切る(たんかをきる)[=啖呵を〜] 痰火(たんか)を治療するのを「痰火を切る」といい、これが治ると胸がすっきりするところから、胸のすくような、鋭く歯切れ良い口調で話す。鋭い勢いで捲(まく)し立てる。また、激しく罵(ののし)り立てる。 類:●痰(たん)を切る
・弾丸黒子の地(だんがんこくしのち) 弾き玉や黒子(ほくろ)のように、非常に小さく狭い土地。 類:●弾丸の地●尺寸(せきすん)の地●猫の額ほどの地
・断簡零墨(だんかんれいぼく) 断ち切れてしまって、書物の一部分のみが残ったものを「断簡」といい、墨跡が僅(わず)かに断片的に残ったものを「零墨」という。そこから、元の形がなく、僅かにその破片だけが残っている書物や書簡を指して言う。
・断機の戒め(だんきのいましめ)[=教え] ものごとを、途中でやめてはならないという戒め。特に、学問について言う。 類:●孟母断機の教え 故事:「列女伝−母儀伝・鄒孟軻母」「母以刀断其機曰、子之廃学、若吾断斯機矣」 昔孟子の母は、学舎の隣りを選んで住み、息子が学ぶのを怠(おこた)ると、機(はた)を刀で断ち切り、「学業を中途でやめることは織りかけた布を断ち切るようなものだ」と戒めて、孟子を学舎へ返した。
・短気は損気(たんきはそんき)
・短気は未練の元(たんきはみれんのもと・はじめ)[=相(そう)] 短気を起こせば、後で後悔して、未練の振る舞いをする原因になる。
・短気は身を亡ぼす腹切刀(たんきはみをほろぼすはらきりがたな) 短気を起こせば自滅を招くということ。
・丹棘(たんきょく) 1.「萱草(かんぞう)」の異名。2.萱草が憂いを忘れさせるために贈る草であるところから、転じて、憂いを忘れること。3.棘(いばら)の心(しん)は赤いといわれるところから「赤心(せきしん)」になぞらえて、真心(まごころ)のこと。 類:●赤心
・断金の契り(だんきんのちぎり)[=交(まじ)わり] 「断金」は、鉄をも切断するほど友情が強固に結ばれていること。非常に厚い友情。非常に親密な友情・交際。 類:●水魚の交わり 出典:「易経−繋辞・上」「二人同心、其利断金」
・断琴の交わり(だんきんのまじわり) 非常に親密な交際。そのような友情。 出典:「列子−湯問」 参考:絶絃
・端倪すべからず(たんげいすべからず) ものごとの始めと終わりが見えず、その全貌(ぜんぼう)が測り知れない。事の成り行きは、容易には推測できないものだということ。 類:●予断を許さない 例:「今後の成り行きは端倪すべからざるものがある」 出典:韓愈「送高閑上人・序」「旭之書変動猶、鬼神不可端倪」 ★「端倪」の出典は「荘子−大宗師」「仮於異物、托於同体、忘其肝膽、遺其耳目、反覆終始、不知端倪」で、「端」はこちらの端、「倪」は向こうの端を意味する。動詞化して「推測する」という意味にな
った 。
・淡交(たんこう) 1.あっさりした交際。2.蟠(わだかま)りのない君子同士の付き合い。君子の交際を評していう言葉。 出典:「荘子−山水」「君子之交淡如水」