−たに(tani)−
・壁蝨(だに)・・・八脚子 1.蛛形(ちゅけい)類ダニ目に属する節足動物の総称。人畜に寄生して血を吸う。 ★古く「たに」とも<国語大辞典(小)> ★名称については、『倭名類聚抄−一九』に記載がある。 2.転じて、人を強請(ゆす)ったり集(たか)ったりすることから、嫌われ者。やくざ者。 例:「あいつは社会に寄生するダニだ」
・他人行儀(たにんぎょうぎ) 赤の他人に対するように、改まった余所余所しい振る舞い。 例:「他人行儀の挨拶をする」
・他人の疝気を頭痛に病む(たにんのせんきをずつうにやむ)
・他人の空似(たにんのそらに)[=猿似(さるに)] 血縁が繋(つな)がっていないのに、顔付きなどが偶然良く似ていること。
・他人の不幸は蜜の味(たにんのふこうはみつのあじ) →人の不幸は蜜の味
・他人の正目(たにんのまさめ) 第三者の方が当事者よりものごとの真相や利害得失をはっきり見分けられるということ。 類:●傍目八目
・他人の飯には骨がある(たにんのめしにはほねがある)[=刺(とげ)がある] 他人の家に寄食したり住み込んだりすると、色々と辛(つら)いことがあるものである。 類:●隣の白飯よりうちの粟飯 ★他人の家には、焼き魚の骨を取ってくれる(甘やかす)親はいないということから。
・他人の飯は白い(たにんのめしはしろい) 他人の物はなんでも良く見えるということの喩え。 類:●隣の芝生は青い●隣の花は赤い
・他人の飯を食う(たにんのめしをくう) 1.肉親の元を離れて、他人の家に寄食する。2.他家に奉公などして、他人の間で揉まれ、実社会の経験を積む。
・他人の飯を食わねば親の恩は知れぬ(たにんのめしをくわねばおやのおんはしれぬ) 親元を離れて他人の家の飯を食い、世間で苦労をしてみなければ、親のありがたみは分からぬということ。 類:●若い時の苦労は買ってでもしろ
・他人の別れ棒の端(たにんのわかれぼうのはし) 夫婦が離別すると、単なる他人というより、一層疎遠になって、棒切れ(木屑)のように互いに顧みないということ。
・他人は食い寄り(たにんはくいより) 家に凶事があった時、肉親や親類の者は悲しんで集まるが、他人は饗応に有り付くために寄り集まるということ。 類:●親(しん)は泣き寄り、他人は食い寄り
・他人は時の花(たにんはときのはな) 他人は、一時の花のようなもので、常に頼みになるというものではない。