−たら(tara)−
・盥回し(たらいまわし) 1.足で盥を回す曲芸。仰向けに寝て、足で盥を回しながら受け渡していくもの。2.一つのものごとを、熟れ合いで、または順送りに、移し回すこと。 例:「政権の盥回し」「中元のいただき物を盥回しにする」 ★曲芸の「盥回し」から。
・だらし 「だらしがない」「だらしのない」のように、打ち消しの形で使われる。ものごとのけじめがはっきりしていること。きちんとしていること。 類:●締まり 用例:滑・浮世床−初「なんの、だらしもねへくせに」 ★「しだら」の「し」と「だら」を逆にした言葉。「自堕落(じだらく)」からとも、梵語の「修多羅」(秩序の意)からともいう<国語大辞典(小)>
・誑し込む(たらしこむ) 甘言や色仕掛けなど、色々な手段を使って、すっかり騙(だま)す。まんまと誑(たぶら)かす。うまうまと騙して自分のものにする。 用例:談・根無草−前「愚癡無智の姥(うば)かかをたらしこみ」
・だらしない 1.服装などが、きちんとしていない。整っていない。秩序がない。締まりがない。 用例:人情・仮名文章娘節用−前「帯をだらしなく結び」 2.気力や体力が弱過ぎる。だらしがない。節度がない。毅然としていない。しっかりしていない。 類:●しだらない 例:「お金にだらしない」 参考:しだらない 行ないや状態に締まりがないこと。 ★「しだら」は、「自堕落(じだらく)」からとも、梵語の「修多羅」(秩序の意)からともいう<国語大辞典(小)> ★手拍子の意味の「しだら(したら)」が合わないことから、纏(まと)まりがないことを言ったともいう。 ★近世以降の語<大辞林(三)>
・足らず余らず子三人(たらずあまらずこさんにん) 1.収入は少な過ぎず多過ぎずで、子供は三人というのが、楽しく暮らしていくのに丁度良い。中流の家庭が理想的だということ。 類:●負わず借らず子三人●余らず過ぎず子三人 2.(誤解から) 子供の数は、三人くらいが少なくもなく多くもなくて丁度良い。 類:●余らず過ぎず子三人
・鱈腹(たらふく) 腹一杯。飽き足りるほど。堪能するほど。 例:「鱈腹食う」 ★「鱈腹」は当て字<国語大辞典(小)>