−たて(tate)−
・立て板に水(たていたにみず)
・伊達男(だておとこ) 1.派手な男。洒落(しゃれ)た男。 ★伊達政宗が洒落者であったことからとも言われるが、誤謬。「男立て」などの「立て」からで、「伊達」は当て字。 2.侠客(きょうかく)。やくざ。
・縦から見ても横から見ても(たてからみてもよこからみても) どこから見てもという意味で、ものごとをどのような視点から見ても問題がないこと。また、どう見てもその人物に間違いないこと。
・蓼食う虫も好き好き(たでくうむしもすきずき)
・立て込む(たてこむ)・建て込む 1.人で混み合う。また、多人数が一ヶ所に集まって、混雑する。 用例:雑俳・俳諧帑−一「建込んで利そふもない灸を居」 2.同時にたくさんの仕事や用事が重なる。 例:「今、立て込んでいるので後にして下さい」 3.家屋が、隙間なくぎっしりと立ち並ぶ。 例:「建て込んだ家並」
・楯突く(たてつく) 手向かう。反抗する。敵対する。 類:●刃向かう●楯を突く
・立て直す(たてなおす) 1.家屋を作り直す。建て替えたり、改築したりする。2.悪い現状を改めて、嘗(かつ)ての良い状態にする。戦闘などで、体制を整え直す。 用例:甲陽軍鑑−品三七「家康なくてはたてなをす事ならずして」
・伊達に(だてに) 見栄(みえ)や外聞(がいぶん)のために。 用例:浄・曾我五人兄弟−道行「この袈裟衣はだてに着るか」 例:「伊達に年を取っているわけではない」 ★伊達政宗が洒落者であったことからとも言われるが、誤謬。「男立て」などの「立て」からで、「伊達」は当て字。
・盾につく(たてにつく)・楯につく 防護とする。頼りにする。力と頼む。 類:●楯に取る
・盾に取る(たてにとる)・楯に取る 防御物とする。転じて、比喩的に、あるものごとを理由にして、相手の質問や追及を交(か)わしたり、また、自分の有利さを主張する手段にしたりする。言い訳にする。また、言い掛かりにする。 類:●楯につく 例:「相手の弱みを盾に取って攻撃する」
・伊達の薄着(だてのうすぎ) 粋(いき)を気取る人は、着膨(きぶく)れを嫌って常に薄着をしているということ。なにごとに因(よ)らず、無理をして格好良く見せようとすることの喩え。
・盾の半面(たてのはんめん) 種々の見方ができるものごとの一面だけという意味で、全体を見ずにものごとの一面だけから判断を下す態度のこと。また、狭い視野に立って、不足のある判断を下すような場合、その手掛かりになるもの。
・縦の物を横にもしない(たてのものをよこにもしない)[=な事を〜] 面倒臭がって何もしない。 類:●横のものを縦にもしない
・盾の両面を見よ(たてのりょうめんをみよ) 一面的な判断をせずに、ものごとの表裏全体を良く見た上で、正しい判断をせよ。
・立てば歩めの親心(たてばあゆめのおやごころ) 子の成長を一日も早くと待ち願う親の切なる心をいう。 類:●這えば立て立てば歩めの親心
・立てば芍薬座れば牡丹(たてばしゃくやくすわればぼたん) 美人の姿を形容する言葉。華麗な、または艶やかな美人のこと。通常、「立てば芍薬坐れば牡丹、歩く姿は百合の花」の形で用いる。 蛇足@:芍薬と牡丹の違い 芍薬は「草」であるのに対し、牡丹は「木」である。このことにも拠るが、芍薬は枝分かれせずに真っ直ぐな形(立つ)であるのに対し、牡丹は枝分かれし易く横張りの樹形(座る)になる。開花時期も、芍薬が初夏なのに対し、牡丹が春と、若干のずれがある。 蛇足A:「牡丹ブーム」 元禄の頃(1700年頃)、ブームになり、競って品種改良が行われた。
・盾を突く(たてをつく) 1.楯を地面に突き立てる。防御壁などを設ける。2.反抗する。 類:●刃向かう●楯突く
・盾を雌鶏羽に突く(たてをめんどりばにつく) 「雌鶏羽」は雌鳥が左の翼で右の翼を覆うように、左を上に右を下にして重ねること。楯を重ね掛けて隙間なく立てること。