−たと(tato)−
・たどたどしい 1.学問や技芸に十分に習熟していない。その道に精通していない。未熟である。危なげである。不安定である。 用例:枕−八二「たどたどしき真名に書きたらんも、いと見ぐるし」 2.未熟なために進行などが、滑らかにいかない。未熟で、もたもたしている。 例:「たどたどしい司会」 3.機能などを十分に発揮していない。不確かである。はっきりしない。 類:●覚束ない 用例:宇津保−楼上上「眼もたとたどしく、今はおぼえ侍るを」 4.その場所の様子が良く分からない。地理的に不案内である。 用例:源氏−竹河「いざ、しるべし給へ。まろは、いと、たどたどし」 5.直接に、はっきりそれと知ることができない状態である。ぼんやりとして微(かす)かである。また、はっきり見えない。 用例:源氏−藤裏葉「なかなかに折りや惑はん藤の花たそがれ時のたどたどしくは」 ★「たづたづし」の転<大辞林(三)>
・辿り着く(たどりつく) 1.尋ね求めて迷った末に、やっと目的地に行き着く。 用例:浄・曾根崎心中−道行「風しんしんたる曾根崎の森にぞ、たどりつきにける」 2.色々な紆余曲折を経て、難渋しながら漸(ようや)く行き着く。 例:「激論の末、結論に辿り付く」
・炭団に目鼻(たどんにめはな) 色が黒く醜(みにく)い容貌の喩え。不美人の形容。 反:■卵に目鼻 ★「炭団」は、宋音「タントン」の略訛。炭の団子の意か<国語大辞典(小)>