−てき(teki)−
・出来上がる(できあがる) 1.完成する。成就する。竣工(しゅんこう)する。 用例:滑・浮世床−初「けふか翌(あす)は出来上(デキアガ)らうと思ったに」 例:「もうすぐ我が家が出来上がる」 2.酒に酔って、すっかり良い気持ちになる。 例:「30分ですっかり出来上がってしまった」
・出来心(できごころ) 予(あらかじ)め計画していたのではなく、その場でふと起こした考え。主に、悪い考えや、他の人たちに迷惑を掛ける思い付きに使う。 例:「ふとした出来心で盗む」
・出来ない相談(できないそうだん) 話の当事者双方の条件が、初めから折り合わないと分かっている相談。纏まる筈がない相談。 類:●無理な相談●無い物強請り
・敵に後ろを見せる(てきにうしろをみせる) 1.敵に背中を見せて逃げる。怖じ気付いて逃げること。2.敵に弱みを見せる。
・敵に糧(てきにかて) 災いの元になるものを助長すること。意図に反して、相手に利益を齎(もたら)す結果になること。
・敵に塩を送る(てきにしおをおくる) 競い合っている相手の弱みに付け込まず、逆に助けること。 故事:戦国時代の武将・上杉謙信は、敵の武田信玄が今川・北条の塩止めで苦しんでいるのを知り、塩を送らせたという。
・てきぱき・てきはき 1.素早く手際(てぎわ)良くことを行なう様子。 用例:雑俳・柳多留拾遺−巻八・上「てきはきと嫁はそばから杖を出し」 例:「仕事をてきぱきと片付ける」 2.言葉や態度がはっきりしている様子。 類:●はきはき 例:「受け答えがてきぱきした生徒」
・敵は本能寺にあり(てきはほんのうじにあり)
・手厳しい(てきびしい) 1.呆(あき)れるほど酷(ひど)い。または逆に、大したものである。 用例:伎・傾城忍術池−三段「この首をコロリ山椒味噌と抛り出すが心中ぢゃ…なんと手酷(テキビシ)いか手酷いか」 2.要求や批判など、容赦するところがなく非常に厳しい。手加減がない。 反:■手緩い 例:「手厳しい批難を受ける」
・敵も然る者引っ掻くもの(てきもさるものひっかくもの) 競(きそ)ってる相手が、なかなかの実力者で、油断のならない者である。 類:●敵ながら天晴れ ★「然る」に「猿」を掛けて、「引っ掻くもの」と続けた言葉遊び。
・出来るだけ(できるだけ) できる範囲のことは全て。可能な限り。 例:「出来るだけ早く帰る」
・出来レース(できれえす) 予(あらかじ)め結果が決まっている競争。やる前から結果きが決まっている勝負ごと。 類:●八百長●いかさま●茶番 例:「今回のオーディションは出来レースだった」
・敵を欺くには先ず味方から(てきをあざむくにはまずみかたから) 敵を騙(だま)そうとするのならば、味方をも騙すような謀(はかりごと)をすべきであるということ。 出典:不明
・敵を見て矢を矧ぐ(てきをみてやをはぐ) 目前に必要が迫って来てから、初めて準備に取り掛かるような、手遅れの処置の喩え。 類:●後手に回る●泥棒を見て縄を綯う