−てん(た)(ten4)−
・椽大の筆(てんだいのふで)
・天高く馬肥ゆる(てんたかくうまこゆる)
・天地開闢(てんちかいびゃく) 天地が開けた世界の初め。 例:「天地開闢以来の出来事」 参考:天と地は、宇宙の始原における唯一混沌がやがて上下に分かれたという中国古代の思想から。 
・天地晦冥(てんちかいめい) 天や地に日の光が一切隠れて、この世が闇に閉ざされるということ。世の中に夢や希望が持てなくなって、絶望的な状態になる喩え。
・天地懸隔(てんちけんかく) 天と地が、懸け離れているということ。 類:●雲泥の差
・天地霄壤(てんちしょうじょう) 「霄」は天、「壤」は地のことで、天地を繰り返した言葉。天と地ほども懸け離れていること。 類:●雲泥の差
・天地の相違(てんちのそうい)[=差] 非常に懸け離れていること。大きな隔たりがあること。 類:●雲泥の差●雲泥万里の相違
・天地は万物の逆旅、光陰は百代の過客(てんちはばんぶつのげきりょ、こういんはひゃくだいのかかく) 無限の宇宙とか永遠の時間とか天地とか光陰とかに対立するとき、自己の卑小を感じて不安になり淋しくなる状態は原始人も現代人も変わりがない。そのとき、人類は最も悲しく最も淋しくなる。 出典:李白の「春夜に従弟の桃花園に宴する序」という短文の冒頭の句。
・天地無用(てんちむよう) 荷物などの外側に書き記す言葉。破損する恐れがあるため、この荷物の上下を逆さまにするなということ。
・天長地久(てんちょうちきゅう) 《四熟》 天地の存在は永遠であること。天地が永久に不変であるように、ものごとがいつまでも続くことの喩え。 類:●天壌無窮●天地長久●天地無窮 ★「天は長く地は久し」と訓読する。 出典:「老子−韜光」「天長地久、天地所以能長且久者、以其不自生」
・点付かる(てんつかる)[=差す] 欠点を言い立てられる。他人から、悪い部分を批判される。 類:●非難される 用例:源氏−蛍「この姫君の点つかれ給ふまじくと、よろづに思(おぼ)しのたまふ」
・てんで 1.後に打消しまたは否定的な表現を伴って、初めから問題にならないことを表わす。元から。また、まるで。全然。 類:●てんから●丸っきり 用例:坊っちゃん「自分のした事が云へない位なら、てんで仕ないがいい」 例:「てんで相手にならない」 2.程度が甚(はなは)だしいことを言う俗語。 類:●非常に●とても 例:「てんで素晴らしい」 ★「てんに」「てんと」などと同源か<国語大辞典(小)> 用例の出典:坊ちゃん(ぼっちゃん) 小説。夏目漱石。明治39年(1906)発表。松山の中学の数学教師に赴任(ふにん)した、単純で直情家の「坊っちゃん」と渾名(あだな)が付いた青年が偽善的な社会に立ち向かう生き方を、ユーモアに富む筆致で歯切れ良く描いたもの。
・天手古舞い(てんてこまい) 1.太鼓の音に合わせて舞うこと。転じて、非常に多忙で落ち着きなく立ち回ること。 例:「突然の団体客に天手古舞いする」 2.うろたえて立ち騒ぐこと。3.喜んで小踊りすること。 ★「てんてこ」は太鼓の音。「天手古」は当て字<国語大辞典(小)>
・てんでに 1.各自の手に。 類:●手に手に 用例:平家−四「都合その勢一千人、てんでにたい松持つて如意が峯へぞ向かひける」 2.それぞれが。銘々(めいめい)が。各自が。複数の人や物が同じ様子であることについて使う。 用例:浄・菅原伝授手習鑑−四「手んでに、けさん振りまはす」 例:「てんでに勝手な曲を吹き始める」 ★「てんでんに」の音変化<大辞泉(三)> ★「手に手に」の転<広辞苑第四版(岩)>
・輾転の思い(てんてんのおもい) 「輾転=展転」は、寝返りすること。心に悩みがあって、夜中に眠れないほど一心に思い詰めること。または、眠れないほど人を慕い悩むとこと。
・輾転反側(てんてんはんそく) 幾度となく寝返りを打つこと。思い悩んで、また、人を思い慕って眠れない様子。 出典:「詩経−周南・関雎」
・天道是か非か(てんどうぜかひか) こんな世の中なのに、それでも天は善人の味方だと言えるのだろうか。司馬遷が使った言葉。 出典:「史記−伯夷列伝」「余甚惑焉、儻所謂天道是邪非邪」 よく「天道親(しん)なし、常に善人に与(く)みす」と言われるが、大悪党の盗跖(とうせき)は日毎(ひごと)に罪のない人民を殺し、無惨にも人の肉を膾(なます)や脯(ほしにく)にもしたほどありとあらゆる悪事を公然と行ない、数千人に上る徒党を集めて天下に横行したのに、しかも、ヌケヌケとして、長寿を完(まっと)うしている。それやこれやを通観してみると、ここに重大な疑問が残る、「天道是か非か」と。
・天道は親なし、常に善人に与す(てんどうはしんなし、つねにぜんにんにくみす) 天道は、特定の人を選び依怙贔屓(えこひいき)するようなことはしない。誰であろうと、常に善人に味方するものである。 出典:「老子−七十九章」「天道無親、常興善人」
・天道人を殺さず(てんどうひとをころさず) 天は人を見捨てはしない。
・点取り虫(てんとりむし) 試験の成績を気にして良い点を取ることだけを目的に勉強する学生・生徒を、嘲(あざけ)って呼ぶ言葉。 類:●点取り