−てな(tena)−
・出直す(でなおす) 1.一度家や会社に戻って、改めてまた出掛ける。 用例:滑・浮世風呂−前「もう納豆売は出直(デナホ)して、金時を売りに来る時分だア」 2.最初からやり直す。 例:「一から出直す」 用例:咄・無事志有意−野狐「そふうまくばかされるものか。おきにしろ。出なをせ出なをせ」 用例の出典:無事志有意(ぶじしゅうい) 咄本。烏亭焉馬。1冊。寛政10年(1798)。無刊記だが上総屋利兵衛版らしい。前年10月の咄の会の禁令に対する遠慮のためか、書肆名などが記されていない。題名は『宇治拾遺』の捩(もじ)り。焉馬主催の咄の会参加者の笑話集。
・手慰み(てなぐさみ) 1.手先で物を弄(もてあそ)ぶこと。 類:●手遊(すさ)び 2.博打(ばくち)。3.手淫。自慰。
・手懐ける(てなずける) 1.巧く扱って自分に懐かせる。親しませる。 例:「犬を手懐ける」 2.懐かせて、味方に引き入れる。 用例:伎・染屮竹春駒−大詰「初めからの事を知って居ります私しでござりますれば、手馴づけて置かっしゃりますが、お為でござります」 用例の出典:染屮竹春駒(そめたずなたけのはるごま) 歌舞伎。鶴屋南北。文化11年(1815)。8幕。・・・詳細調査中。 
・手鍋を提げる(てなべをさげる)
・手習いは坂に車を押す如し(てならいはさかにくるまをおすごとし) 坂道の手押し車が力を抜くと下(くだ)ってしまうところから、学問や稽古事は少し油断をすると元へ戻ってしまうことの喩え。