−てつ(tetu)−
・手付けを打つ(てつけをうつ) 契約の保証として金額の一部を前もって渡すこと。
・鉄心石腸(てっしんせきちょう) 鉄や石のように堅固な精神。どんなことにも動かされない強い心。鉄石心腸。
・捏っち上げる(でっちあげる) ないことをあるように作り上げる。無理に作りあげる。捏造(ねつぞう)する。 例:「犯人を捏っち上げる」「空想で紀行文をでっちあげる」 ★「でっち」は動詞「でっちる(捏)」の連用形<国語大辞典(小)>
・鉄中の錚々(てっちゅうのそうそう) 鉄の中では良い音のするものという意味で、凡人の中で少し優れている者の喩え。 出典:「後漢書−劉盆子伝」「帝曰、卿所謂鉄中錚錚、傭中佼佼者也」 光武帝が賊軍の丞相・徐宣(じょせん)を褒めて言った言葉。 ★「鉄」は、下等な金属の喩え、「錚」は、金属が打ち当たる音の形容。 ★「錚々」は、現代では「錚々たる人物」のように、「特に優れた人物」の意味で使われている。
・出突っ張り(でづっぱり・でずっぱり) 1.芝居などで、同じ俳優が、初めから終わりまで、幕ごとに出続けること。また、一人の人がその日の出しもの全部に出場すること。2.転じて、一般に、出続けること。続けて外出や参加するときにも言う。 類:●出っ放し
・徹頭徹尾(てっとうてつび) 始めから終わりまで同じ方針、考えを貫く。 類:●始終●どこまでも●すっかり●飽くまで
・手っ取り早い(てっとりばやい) 1.遣り方が素早い。敏捷(びんしょう)である。 用例:浄・近江源氏先陣館−九「四郎心得てっとり早く、畳をてうどはね退くれば」 2.手短(てみじか)で簡単である。手間が掛からない。簡略である。 例:「手っ取り早く言うと、この話はなしだ」 用例の出典:近江源氏先陣館(おうみげんじせんじんやかた) 浄瑠璃。時代物。9段。近松半二を中心に、八民半七らが合作。明和6年(1769)大坂竹本座初演。大坂の陣を鎌倉時代の事跡に仮託して脚色したもの。歌舞伎は、翌7年大坂中座初演。「近江源氏」。
・鉄のカーテン(てつのかーてん) 英語の「the iron curtain」の訳語。 1.第二次世界大戦後、東欧の社会主義圏が西欧の資本主義圏に対して厳しく門戸を閉ざしていたことをイギリスの首相チャーチルが1946年3月の演説中で使った言葉。2.交際や交流を、強固に邪魔するもの。
・鉄は熱いうちに打て(てつはあついうちにうて)[=赤いうちに〜] 英語の「Strike while the iron is hot」の訳語。 1.鉄製品は熱して軟らかいうちに鍛えて有用な形に作り上げることから、成長した後では教育効果が十分には上がらないから、柔軟性がある若いうちから鍛錬しておくべきであるということ。2.関心ややる気が薄らがないうちに対策を立てないと、後からでは問題にされなくなるから、時機を失しないように処置をせよということ。
・轍鮒の急(てっぷのきゅう) 「轍鮒」は、轍(わだち)の水溜りにいる鮒のこと。非常に苦しい境遇にある者は、ぐずぐずしていては救えないということ。また、差し迫った危険や困窮の喩え。 故事:「荘子−雑篇・外物」 轍に鮒がいた。問うと、水を汲んできて助けてくれと言う。「これから呉か越に行って水を得て、それからお前を迎え入れよう」と言うと、鮒は大いに怒り、「今は一刻を争うところであり、後日の大量の水よりも一滴の水が必要なのだ。そうでなければ私は死ぬから、私を迎えたいのであれば、乾物屋にでも行って探し求めるが良い」と言った。
・轍鮒を枯魚の市に訪う(てっぷをこぎょのいちにとう)[=見る] 危急・困窮が目前に迫っているときに、救いの手を差し伸べるのを躊躇(ためら)えば、後でいくら救おうと努力しても甲斐はない。
・鉄砲玉(てっぽうだま) 1.鉄砲の弾丸。銃弾。2.飴を丸く固めたもの。飴玉。3.使いの者などが行ったまま戻って来ないこと。行ったきりであること。また、その人。 類:●冥途の使い 例:「まったく鉄砲玉なんだから」 4.水に沈んだまま浮き上がらないことから、泳ぎができないこと。また、その人。 類:●金槌 5.鉄砲店(てっぽうみせ)の玉という意味で、鉄砲店の遊女。最下級の遊女。
・鉄砲を放す(てっぽうをはなす)[=放つ・撃つ] 1.鉄砲を発射する。2.嘘を言う。 類:●法螺を吹く●大言壮語する
・手詰まり(てづまり) 1.打つべき手段や法が尽きて困ること。2.金銭の遣り繰りができなくなること。手元が苦しくなること。 例:「いよいよ手詰まりになる」 用例:雑俳・蓬莱山「手づまりで・世間へしれた松をうる」 3.囲碁や将棋で、有利に局面を進展させる望みがない状態をいう。 類:●手詰め 用例の出典:蓬莱山(ほうらいさん) 雑俳。・・・調査中。
・鉄面皮(てつめんぴ) 鉄でできている面(つら)の皮の意、恥を恥とも思わないこと。図々しいこと。また、その人。 類:●厚顔●鉄面
・轍を踏む(てつをふむ) 先人のしたことをくり返す。また、前の人が陥った失敗を繰り返す。 類:●前車の轍を踏む●前轍を踏む●二の舞を演ずる