−ちえ(tie)−
・知恵出でて大偽あり(ちえいでてたいぎあり)[=偽(いつわ)りあり] 人間が素朴で清純であった大昔は自然のままに生活して平和であったが、世が下って、人間の知恵が発達するに従い、嘘を吐いたり騙したりすることが多くなって、世の中が乱れてきたということ。 出典:「老子−一八章」「大道廃有仁義、慧智出有大偽」
・知恵が付く(ちえがつく) 知恵がだんだんと備(そな)わってくるという意味で、子供が大人びてくること。 ★「知恵付く」というようにも用いる<国語慣用句辞典(集)>
・知恵が無い(ちえがない) その場に応じた機転や工夫が足りない。馬鹿げている。 類:●能がない●馬鹿らしい
・知恵が回る(ちえがまわる) 良く気が付く。頭の回転が早い。 例:「大男総身に知恵が回り兼ね」
・知恵と力は重荷にならぬ(ちえとちからはおもににならぬ) 知恵と力は、有り過ぎて困ることはないということ。
・知恵にも能わず(ちえにもあたわず) 良い思案が浮かばない。どんなに知恵を絞っても駄目だ。
・知恵の鏡(ちえのかがみ) 知恵が優れて明らかなことを、鏡に喩えた言葉。 ★多く、「知恵の鏡も曇る」と続けて、正常な判断を失う意に用いられる<国語大辞典(小)>
・知恵の火(ちえのひ) 仏教用語。智慧が煩悩を焼き尽くすことを、火に喩えた言葉。
・千重の一重(ちえのひとえ) 1.千分の一。2.数多くあるうちの、ほんの一部分。 類:●氷山の一角
・知恵の持ち腐り(ちえのもちぐさり)[=持ち腐れ] 優れた知恵を持っているのに、実際にはこれを十分に活用していないこと。
・知恵の矢(ちえのや) 仏教で、矢が目的物を射落とすように、煩悩をすっぱりと断ち切ることの喩え。また、知恵の働きが早いことを、矢の早さに喩えた言葉。
・知恵は小出しにせよ(ちえはこだしにせよ) 一度にありったけの知恵を出し切ると苦境に立つことが多いから、時に応じて少しずつ出した方が良い。
・知恵は万代の宝(ちえはばんだいのたから) 優れた知恵は、その人の宝だけではなく、万人のまた後世も万代にも亘(わた)る宝となるものだということ。 類:●智は万代の宝
・知恵袋(ちえぶくろ) 1.知恵の全てが入っていると想像された袋。ありったけの知恵。 例:「知恵袋を絞る」 2.その仲間の間で、特に知恵ある者。 類:●知恵者
・知恵を借りる(ちえをかりる) 他人に相談して適当な教示を受けるという意味で、自分では解決できない問題を他人の力に頼って処理しようとすること。他人から良い考えや方法を教えて貰う。
・知恵を絞る(ちえをしぼる) あれこれと一所懸命考える。いろいろ考えて良い方策を思い付く。 類:●捻り出す
・知恵を付ける(ちえをつける) 傍(そば)にいる者が色々と教えて唆(そそのか)す。近くにいる者が入れ知恵をする。 類:●入れ知恵する●唆(そそのか)す