−ちく(tiku)−
・逐一(ちくいち・ちくいつ) 1.抜かすことなく、一つ一つ順を追うこと。一々全部。何から何まで皆。2.副詞的にも用い、一つ一つ順を追って。転じて、詳しく。詳細に。 例:「逐一報告するべし」
・竹頭木屑(ちくとうぼくせつ) 「竹頭」は竹の切れ端、「木屑」は木の屑。一見役に立たないものも疎(おろそ)かにしないこと。細かなことを等閑(なおざり)にしないこと。 故事:「晋書−陶侃伝」 中国、晋の陶侃(とうかん)は、船を造ったときに出た木や竹の屑を取っておき、後になってそれぞれを役立てた。
・ちぐはぐ 1.形状などが不揃(ふぞろ)いであること。対(つい)になるべきものが揃っていないこと。 用例:雑俳・広原海−六「チグハグの椀は座敷の紋尽し」 例:「ちぐはぐな服装」 2.ものごとが食い違っている様子。調和が取れておらず、その場にそぐわない様子。 例:「ちぐはぐな会話」 ★「違う」と「はぐれる」が結び付いた言葉かという。また、「一具(いちぐ)」が「はぐれる」からか、仏教用語の「値遇(ちぐ)」⇔「反遇(はぐ)」からか、などいともいう。 用例の出典:広原海(わたつうみ) 俳諧集。松月堂不角(しょうげつどうふかく)。元禄11(1698)〜14年。22冊。・・・詳細調査中。
・竹帛に著わす(ちくはくにあらわす) 功名(こうみょう)や手柄(てがら)が、歴史書に書き込まれる。歴史に名を残すことの喩え。 類:●竹帛に垂る●竹帛の功 ★「竹帛」の「竹」は、竹簡(ちくかん)のこと。「帛」は、布帛(ふはく)のこと。いずれも紙が発明される前の中国で、文字を書き付けたもの。ここでは、史書のこと。 出典:「淮南子−本経訓」「著於竹帛、鏤於金石可伝於人者、其粗也」
・竹帛に垂る(ちくはくにたる) 功名や手柄が、史書に書き付けられて後世にまで伝わる。歴史に名を残す。 類:●名を竹帛に垂る●竹帛に著わす●竹帛の功 ★「垂る」は、後世に残すの意味。 出典:「後漢書−ケ禹伝」「禹得効其尺寸、垂功名於竹帛耳」
・竹馬の友(ちくばのとも)
・筑羅が沖(ちくらがおき) 1.朝鮮と日本との潮境にあたる海。日本の海の果て。 ★朝鮮と対馬との間にある巨済島の古称である「涜羅(とくら)」の変化という。また、「筑」は筑紫、「羅」は新羅の意からともいう<国語大辞典(小)> 2.言語や風俗などが中国とも日本ともつかないこと。和漢ごちゃ混ぜになっていること。 例:「和漢混ぜこぜの筑羅が沖」 3.転じて、どちらともつかないこと。中途半端なこと。曖昧(あいまい)なこと。出鱈目なこと。また、そういう人。 用例:滑・風来六部集−放屁論後篇「どちら足らずのちくらが洋(ヲキ)」
・筑羅手暗(ちくらてくら) どっちつかずの怪しげな者。また、どっちつかずの誤魔化し。