−ちち(titi)−
・乳臭い(ちちくさい・ちくさい) 1.乳の臭いがする。2.子供っぽい。幼稚である。未熟である。 例:「まだ乳臭い青二才のくせに」 用例:浄・姫小松子日の遊−二「亀王とやらん素丁稚有る由。乳くさい形りをして」 用例の出典:姫小松子日の遊(ひめこまつねのひのあそび) 浄瑠璃。吉田冠子・近松景鯉・竹田小出雲・近松半二・三好松洛(千前軒門人)。寶暦7年(1757)。 参考:子日の遊び(ねのひのあそび) 山田流箏曲の曲名。新年の初子(はつね)の日の遊びを主題にした歌詞で、昔の年中行事をあつかった曲。
・父父たらずと雖も、子は子たらざる可からず(ちちちちたらずといえどもこはこたらざるべからず) 父親が父親としての務めを果たさなくても、子は子としての務めを果たさなくてはいけないという儒教の教え。子は、「孝養」を尽くすべきだということ。 出典:「孝経−序」「父雖不父、子不可以不子」 参照:君君たらずと雖も、臣は臣たらざる可からず
・父の恩は山より高く、母の徳は海より深し(ちちのおんはやまよりたかく、ははのとくはうみよりふかし) 父母の恩はこの上なく大きく深いという喩え。 用例:童子教「父恩者高山、須弥山尚下。母徳者深海、滄溟海還浅」 用例:浄・艶容女舞衣−下「十度契りて親子となる。父の御恩は山よりも高きとの世の教へ」  用例の出典:童子教(どうじきょう) 室町時代から広くわが国に行われていた初等教訓書。全1巻。僧安然、または、白居易の作といわれるが未詳。儒教思想・仏教思想をもとにした漢文体五言320句からなる。江戸時代、寺子屋の教科書として普及した。
・縮み上がる(ちぢみあがる) 1.すっかり縮む。また、すっかり縮んで小さくなる。 用例:発心集−五「髪赤くちぢみあがりたる小童」 2.恐怖や寒さで、身体が畏縮する。身体や気持ちが小さくなる。 類:●竦(すく)む 用例:滑・浮世床−二「ソコデ縮のままで縮上って、絽の羽織有てもやくにたたず」 用例の出典:発心集(ほっしんしゅう) 鎌倉初期の仏教説話集。現在流布本八巻本がよく知られるが、鎌倉初期には3巻本であったと思われる。鴨長明作。1213〜15年頃の成立か。仏伝からの引用が多く、また長明自身の経験譚も含む。仏教説話中でもっとも文芸性が濃い。
・ちちんぷいぷい御世の御宝(ちちんぷいぷいごよのおたから・おんたから) 幼児が転んだりぶつけたりして体を痛めた時に、痛みを紛らすために、摩(さす)りながら賺(すか)し宥(なだ)めること。また、そのときに唱える言葉。後略して、「ちちんぷいぷい」だけでも言う。 ★一説に、智仁武勇は御世の御宝の意とも<国語大辞典(小)> ★「智仁勇」は、知と仁と勇で、儒教で最も基本的な三つの徳のこと。そこに武を加えたものか。 ★春日局(かすがのつぼね)が幼少の徳川家光に言った言葉として伝わる。