−ちゆ(tiyu)−
・中原に鹿を逐う(ちゅうげんにしかをおう) 1.「中原」は、中国の黄河流域の平原地帯を指し、「鹿」は天子の位を意味する。帝王の位を得ようとして戦うこと。2.転じて、ある地位や物を得るために互いに競争すること。 出典・人物:魏徴(ぎちょう) 中国、唐代初期の諫臣(かんしん)。唐朝開国の元勲の一人。580〜643。字は玄成。玄武門の変後、太宗に仕え、諫議大夫となる。太宗李世民を補佐して「貞観の治」を築いた。「梁書」「陳書」「北斉書」「周書」「隋書」の編纂に関与した。「述懐」の詩は有名。
・中原の鹿(ちゅうげんのしか・ろく) 1.帝王の位のこと。2.転じて、多くの人が競争して得ようとするもの。
・忠言は耳に逆らう(ちゅうげんはみみにさからう)
・忠孝双全(ちゅうこうそうぜん)[=両全] 1.東洋画の画題。葵と萱草とを描いたもの。葵は忠の象徴とされ、萱草は孝の象徴とされる。2.忠と孝との両方が、共に完全であること。
・仲裁は時の氏神(ちゅうさいはときのうじがみ) 争いごとの仲裁を買って出てくれる人は、その場にとって氏神が現れたように有り難いものだから、その調停に従うのが良いということ。 ★正しくは「挨拶は時の氏神」。ここでの「挨拶」は、「仲裁、調停」のこと。それを現代語風に言い直したのが、この言い回し。 用例:浄・八百屋お七−中「俄に不仲な様子をば聞てさりとは気の毒故、どふぞあいさつ致さうと」 用例の出典:八百屋お七(やおやおしち) 浄瑠璃。三段。紀海音(きのちょうおん)。正徳5年(1715)秋から享保初め(1716)頃。大坂豊竹座初演。井原西鶴の「好色五人女」の影響作。八百屋の娘お七は、駒込の吉祥寺の寺小姓吉三郎と契(ちぎ)ったが、縁談が起こったので、火難を願い二度の放火。これが露見して引回しの上、鈴ケ森で処刑される。吉三郎は、お七に先立ち切腹する。
・忠臣は二君に事えず(ちゅうしんはにくんにつかえず) 忠義の家臣は、一度仕(つか)えるべき主(あるじ)を決めたら、他の主君に仕えることはない。 類:●(女)貞女は二夫を更えず 出典:「史記−田単伝」「忠臣不事二君、貞女更二夫」
・中途半端(ちゅうとはんぱ) ものごとの完成にまで達しないこと。どっちつかずで徹底しないこと。 例:「中途半端な気持ち」
・柱に膠して瑟を鼓す(ちゅうににかわしてしつをこす) 「瑟」は、古代中国の楽器の1つ。その瑟の琴柱(ことじ)に膠を付けて固定しておいて瑟を弾くという意味から、規則に拘(こだわ)り過ぎて、その場その時に応じて身を処することができないこと。規則にばかり拘っていて、融通が利かないこと。 類:●琴柱(ことじ)に膠す 出典:「史記−廉頗藺相如列伝」
・宙ぶらり(ちゅうぶらり)・中ぶらり 1.空中にぶら下がっている様子。 類:●宙ぶらりん 2.転じて、どっち付かずで中途半端な状態。 類:●宙ぶらりん 例:「工事が宙ぶらりんのまま凍結している」
・注文通り(ちゅうもんどおり) 1.注文した通りである。こちらが出した希望や条件にぴったりである。2.こちらが期待している方向にものごとが運ぶ。 類:●思う壺●誂え向き
・注文を付ける(ちゅうもんをつける) 1.自分の望むことをそうして欲しいと相手にいう。 例:「あれこれと注文を付ける」 2.自分の作戦通り有利な体勢に持ち込む。特に相撲勝負で言われる言葉。 例:「立ち合いに注文を付ける」
・昼夜を舎かず(ちゅうやをおかず)[=捨てず] 昼夜の区別をしない。絶えず行なう。 類:●昼夜を分かたず●昼夜を捨てず 出典:「論語−子罕」「子在川上曰、逝者如斯夫、不舎昼夜」
・中庸を得る(ちゅうようをえる) 「中庸」とは、どちらにも偏(かたよ)らず、常に不偏であるという意味で、何事にも平均が取れていて中正を失わず、いつも程よい状態で調和していること。
・中流に船を失えば一瓢も千金(ちゅうりゅうにふねをうしなえばいっぴょうもせんきん) 一般的には瓢箪は廉価であるが、流れの真ん中で舟を失った者には浮き袋の代用品として無上の値打ちがある。時と場合によっては、つまらないものでも大きな価値を持つことがあるということ。 出典:「怺冠子−学問」
・中流の砥柱(ちゅうりゅうのしちゅう・ていちゅう) 乱世に身を処するのに、砥柱のように、毅然として節を守ることの喩え。また、そのように、毅然として節度や主張を守る人。 ★「砥柱」は、中国河南省陝州(せんしゆう)の黄河の中にある柱状の石のことで、砥石(といし)のように滑らかで、激流の中で不動のまま立っている。