−とい(toi)−
・戸板に豆(といたにまめ) 戸板の上に置いた豆は転がってしまって扱い難いことから、思うようにならないことの喩え。
・戸板を返すよう(といたをかえすよう) 歌舞伎の仕掛けの一つで、一枚の戸板の表裏に死体を括り付けて早変わりを見せる「戸板返し」から出た言葉。事の成り行きや場面などが突然に変わる喩え。 参考:戸板返し(といたがえし) 四世鶴屋南北「東海道四谷怪談」の隠亡堀(おんぼうぼり)の場で用いられたものが最初という。 参考:東海道四谷怪談(とうかいどうよつやかいだん) 歌舞伎。四世鶴屋南北。文政8年(1825)。江戸中村座初演。お岩と伊右衛門の怪談話。初演の時には「仮名手本忠臣蔵」と併行上演された。
・何奴も此奴も(どいつもこいつも) 誰も彼もみんな、という意味で、全ての人が同じように望ましくない状態にあることを詰(なじ)って言う。 例:「何奴も此奴も抜け作ばかりだ」
・問屋が卸さない(といやがおろさない) →(とんやがおろさない)
・問屋の只今(といやのただいま・とんやの〜) 返事だけは良いが、なかなか実行しないことの喩え。約束や期日が当てにならないことの喩え。問屋に品物を注文すると、「只今お届けします」と請け合うが、すぐに品物が届けられることは少ないことから。 類:●医者の只今●蕎麦屋の出前●紺屋の明後日●鍛冶屋の明晩
・トイレが近い(といれがちかい) 用便などでトイレに行く回数が頻繁(ひんぱん)である。 ★「小便が近い」からの転か。