−とき2(toki2)−
・時の氏神(ときのうじがみ) 丁度良い時に現れて、仲裁などをする人。その時に、非常にありがたい人。 例:「挨拶は時の氏神」
・時の運(ときのうん) その時その時における運や不運。時の廻り合わせ。
・鬨の声(ときのこえ)・鯨波の声 1.戦国時代の合戦で、士気を鼓舞し、また、敵に対して戦闘の開始を告げるために発する叫び声。 用例:太平記−三「鬨の声三度揚げて矢合せの流鏑(かぶら)を射懸けたれども」 ★大将が「えいえい」と発声し全軍が「おう」と声をあげて和し、これを三度繰り返すのが通例。また、戦勝の喜びの表現としても発した<国語大辞典(小)> 2.大勢(おおぜい)の人が、一同に上げる声。
・時の代官日の奉行(ときのだいかんひのぶぎょう)[=時の大将〜] 世の中を巧く渡っていくには、その時々の権力者に従っているのが良いという喩え。
・時の花を翳す(ときのはなをかざす)・簪(かんざし)にする 1.その季節に咲き誇る花を髪に挿(さ)す。2.比喩的に、時流に乗って栄える。また、権威に阿(おもね)って上手く生きる。
・時の人(ときのひと) 1.その時の人。その頃の人。当時の人。時人(じじん) 2.時流に乗って栄えている人。時を得て、権勢を揮っている人。非常に時めいている人。また、世間で噂になっている人。
・時の用には鼻を欠け(ときのようにははなをかけ)[=削(そ)げ] 急を要する大事な場合には、鼻を切り落とすような思い切った手段でも取った方が良い。危急の際には手段を選ばないで事を行なえということ。
・時は得難くして失い易し(ときはえがたくしてうしないやすし)[=値(あ)い難くして〜] 1.好機はなかなか巡って来ないもので、仮令(たとえ)来たにしても、油断しているうちにすぐ去ってしまうものだ。 出典:「史記−淮陰侯伝」 2.時間というものは再び巡って来ないから、どんな短い時間をも大切にしなければいけない。 出典:「淮南子−原道訓」
・時は金なり(ときはかねなり)
・時人を待たず(ときひとをまたず)[=時は〜] 月日は過ぎ易く、好機は失い易いということ。 類:●歳月人を待たず
・どぎまぎ 不意を突かれたり、圧倒されたりして、うろたえて慌てる様子を表わす言葉。 用例:浄・行平磯馴松−一「アイと返事もどぎまぎと、ためらふ間も」 用例の出典:行平磯馴松(ゆきひらそなれのまつ) 浄瑠璃。文耕堂他。元文3年(1738)。謡曲『松風』にちなむ在原行平と松風村雨姉妹の恋愛譚を題材に、御位(みくらい)争いを展開したもの。
・時めく(ときめく) 1.良い時機に巡り合って栄える。持て囃(はや)される。 用例:宇津保−菊の宴「東宮の学士になされなどして、ときめく事二つなし」 例:「今を時めく流行作家」 2.主人などの寵愛を受けて羽振りが良くなる。用例:今昔−24・31「天皇極(いみじく)時めきおぼしめして、御息所にもなされたる也」 3.賑やかに騒ぐ。 用例:仮・竹斎−上「輿や車を遣り違(ちが)へ時めきあへるその中に」
・度肝を抜く(どぎもをぬく) 酷(ひど)く驚かす。吃驚(びっくり)させる。 類:●肝を潰す ★多く「度肝を抜かれる」の形で用いられる<国語大辞典(小)>
・度胸を据える(どきょうをすえる)[=定める] 覚悟を決める。 類:●肝を据える●腹を据える
・時世時節(ときよじせつ) その時代その時代の風潮。その時その時の巡り合わせや移り変わり。
・途切れ途切れ(とぎれとぎれ) 途切れては続き、途切れてはまた続く様子。 類:●絶え絶え●断続 例:「話し声が途切れ途切れに聞こえる」
・時を争う(ときをあらそう) その時に至る早さを争う。先を争う。 類:●一刻を争う
・時を失う(ときをうしなう) 1.チャンスを逃す。2.時勢に合わず、勢力が衰える。失意の人となる。 用例:方丈記「時を失ひ世に余されて」
・時を移す(ときをうつす)[=巡(めぐ)らす] 1.手間取って、無駄に時間が過ぎる。暇が掛かる。また、一時(いっとき)を過ごす。暇を潰す。 2.「時を移さず」の形で、実行の時を延ばさずに。すぐさま。即刻。
・時を稼ぐ(ときをかせぐ) 時間のゆとりを作る。時間を引き延ばす。あるものごとの準備や用意のために、他の事柄で時間を長引かせ、それに必要な時間を作り出す。 類:●時間を稼ぐ
・時を作る(ときをつくる) 鶏が鳴いて暁を告げる。