−とう(か)(tou2)−
・道学先生(どうがくせんせい) 「道学者」は、道理・道徳を重んじるあまり世事に暗かったり、人情を無視したりする偏屈な人のこと。道学者を軽蔑したり、からかったりして呼ぶ言葉。
・頭角を現す(とうかくをあらわす) 優れた才能や技芸などを持ち、人に抜きん出る。才覚が群を抜いて目立つ。衆に秀でている。 例:「めきめき頭角を現してきた」 出典:韓愈「柳子厚墓誌銘」「嶄然見頭角」
・灯火親しむべし(とうかあいしたしむべし) 秋の涼しさと夜長は、灯火の下で読書するのに適している。 出典:韓愈「符読書城南詩」
・薹が立つ(とうがたつ) 1.蕗(ふき)や菜の花などの、花茎が伸びる。固くなって食べ頃を過ぎてしまう。2.人が、その目的に最適の年齢を過ぎてしまう。若い盛りが過ぎる。男女共に使えるが、特に、女性の婚期について言われる。 例:「彼女も30、そろそろ薹が立って来たな」 3.芸事などで、進境を見せる。
・東家に食して西家に息わん(とうかにしょくしてせいかにいこわん)[=食らいて〜] 昼間は東の家で食事をして、夜は西の家で眠りたい。片方を選ぶのでなく、両方を自分のものにしたい。欲が深いことの喩え。 故事:「太平御覧−人事・醜丈夫」「風俗通曰、《略》願東家食而西家息、以東家富而醜、西家貧而美也」 昔、中国に美女がおり、両隣の男性から求婚された。東の家の男は金持ちで醜男(ぶおとこ)。西の家の男は貧乏で美男だったが、母親がどちらに嫁ぐのかと聞いたところ、美女は、昼間は東家で過ごし、夜は西家で過ごしたいと答えた。
・刀下の鬼となる(とうかのきとなる) 刀で斬られて死ぬ。斬り殺される。 ★ここでの「鬼」は、死んだ魂(たましい)の意味。
・刀下の鳥、林藪に交わる(とうかのとり、りんそうにまじわる) 斬り殺されるべき鳥が逃(のが)れて林や藪の中で遊ぶという意味で、生き返った心地がすることの喩え。 類:●九死に一生を得る
・堂が歪んで経が読まれぬ(どうがゆがんできょうがよまれぬ) 坊主が、上手くお経を読めないのはお堂が歪んでいるからだと言い訳をする。1.自分の怠慢や失敗を棚に上げて、責任を他人に擦(なす)り付けることの喩え。 類:●地が傾いて舞いが舞われぬ 2.屁理屈を捏(こ)ねて勿体(もったい)ぶり、なかなか行動に移そうとしないことの喩え。 類:●勿体を付ける●地が傾いて舞いが舞われぬ
・等閑に付す(とうかんにふす) ものごとを好い加減に放っておく。 類:●等閑(なおざり)にする
・同気相求める(どうきあいもとめる)[=相求む・求める] 気の合う者は互いに親しみ集まる。同類のものは自然に集まる。 類:●類は友を呼ぶ●牛は牛づれ馬は馬づれ●同声相和す●同性相親しむ●蓑の傍へ笠が寄る 出典:「易経−乾卦」
・同期の桜(どうきのさくら) 予科練の同期生を桜に喩えて歌った同名の軍歌から、同期生のこと。 類:●同じ釜の飯を食う
・同穴の契り(どうけつのちぎり) 同穴の「穴」は墓穴のこと。死んで同じ墓の穴に葬られるという意味で、死ぬまで仲睦(むつ)まじく暮らそうという、夫婦が交わす約束。 類:●偕老(かいろう)の契り
・峠を越す(とうげをこす)[=越える] 1.最高の境地に到達する。2.勢いの最も盛んな時期を過ぎて、衰え始める。3.最も重要な時期を過ぎて、先の見通しが利くようになる。 類:●山を越す
・陶犬瓦鶏(とうけんがけい) 焼物の犬と素焼きの鶏のこと。ただ外見が優れているばかりで、なんの役にも立たないものの喩え。 出典:「金楼子−立言・上」 出典:金楼子(きんろうし) 中国六朝期。梁元帝。・・・詳細調査中。
・桃源郷(とうげんきょう) 俗世間を離れた安楽な世界。仙境。桃源。 類:●ユートピア●武陵桃源●壺中の天地 出典:陶淵明「桃花源記」
・同工異曲(どうこういきょく) 1.音楽を奏する技巧は同じでも、味わいが異なること。2.詩文や述作などの技巧は同じだが、その趣や表されたものが異なること。転じて、見掛けは違うようでも内容は同じであること。 出典:韓愈「進学解」「子雲相如、同工異曲」 ★「異曲同工」ともいう<国語慣用句辞典(集)>
・同功一体(どうこういったい) 功績が同じで、態度も同じであること。功績がまったく同じであること。 出典:「史記−黥布列伝」
・倒行逆施(とうこうぎゃくし) 道理に逆らって事をなすこと。無理押しをすること。 類:●横車を押す●横紙(よこがみ)破り 出典:「史記−伍子胥列伝」
・同語反復(どうごはんぷく) 1.論理学で、主辞と賓辞とが同一の概念である判断。変項の値のいかんに関わらず、常に真であるような論理式。2.ある主張を、表現は違うが同一の主張で反復するだけで、外見上論証したように見せる虚偽。また、繰り返したからといって、なんの意味もない同じ言葉の繰り返し。 類:●循環定義の誤り●トートロジー ★「同語反覆」とも書く<国語慣用句辞典(集)>