−とや(toya)−
・兎や角(とやかく) 何のかのと。ああだこうだと。色々。あれやこれやと。雑多な事態を、特定しないまま列挙するときに使う。非難したり、迷惑に思う気持ちを込める場合が多い。 例:「兎や角言われる筋合いはない」 用例:浮・好色一代男−二「とやかく隙の入こそ笑(おか)し」 ★「とやかくや」の変化<国語大辞典(小)>
・どやす 1.殴る。打つ。ぶつ。叩く。突き飛ばす。 用例:俳・阿蘭陀丸二番船「どやされて馬追虫も音をぞなく」 2.怒鳴り付ける。 3.騙(だま)して自分の自由にする。 類:●ものにする●誑(たら)す●誑し込む 用例:浄・役行者大峯桜−二「山際の馬鹿奴(ばかめ)をどやし、資本(もとで)拵へ勝負せうわい」 用例の出典@:阿蘭陀丸二番船(おらんだまるにばんせん) 雑俳。宗円編。2巻。延宝8年(1680)。俳諧について、「俳諧の道、虚を先として実を後とす。和歌の寓言・連歌の狂言也成」と述べた。立に西鶴が関与したとも言われる。 用例の出典A:役行者大峯桜(えんのぎょうじゃおおみねざくら) 浄瑠璃。3巻。寛延4年(1751)。竹本座。近松半二の処女作。・・・詳細調査中。
・どやに付く(どやにつく) 家に帰ること。旅館に泊まること。 ★「どや」は、「宿」の「や」と「ど」を逆にした言葉で、宿屋・簡易旅館のこと。盗人・的屋(てきや)・寄席(よせ)芸人仲間などの隠語。