−つか(tuka)−
・使い込む(つかいこむ)[=遣い込む] 1.自分のものでない金銭を、勝手に使う。任(まか)された金銭を密(ひそ)かに使う。 類:●横領する 例:「血税を使い込むようなものだ」 2.予算を超えた金額を使ってしまう。予定以上の金銭を使う。 用例:咄・鯛の味噌津−野島地獄「御給金をつかひこみまして」 例:「今月は随分使い込んだ」 3.器具などを、具合い良くなるまで使い馴(な)らす。また、人などを、慣れるまで長い間使う。 類:●使い古す 例:「使い込まれた鉄鍋」
・使い古す(つかいふるす) 1.使って古くする。古くなるまで使い続ける。 例:「使い古したノート」 2.耳新しくなく、ありふれていること。 類:●陳腐●平凡 例:「使い古された言い回し」
・使い物(つかいもの)・遣い物 1.使えるもの。使って役に立つもの。「この時計はもう使い物にならない」 2.贈り物。進物(しんもつ)。 例:「お遣い物」
・使い物にならない(つかいものにならない) 品質が劣ったり、能力が低かったりして、全く役にたたない。
・支えが下りる(つかえがおりる) 胸に支えていたものがなくなる。いつも気になっていることが解決して不安や気掛かりが消え去る。蟠(わだかま)りがなくなる。 類:●溜飲が下がる
・付かず離れず(つかずはなれず) 付き過ぎも、離れ過ぎもしないで、程好い関係を保つこと。また、どちらにも偏(かたよ)らないで、中立的な態度を取る。 類:●不即不離
・使っている鍬は光る(つかっているくわはひかる)  日々使われている鍬は錆(さ)びることなく輝いている。同様に、いつも努力を続け停滞することのない人は、言葉や行ないに自然とそれが表われるものであるということの喩え。 類:●人通りに草生えず●流水腐らず
・付かぬ(つかぬ)[=ない・ん] 思い掛けない。考えもしない。 類:●突飛な●出し抜けな 用例:仮・東海道名所記−一「つかぬ片輪になるもの多し」 ★「思ひもつかぬ」「考えもつかぬ」などの上略された語<国語大辞典(小)> 用例の出典:東海道名所記(とうかいどうめいしょき) 仮名草子。6巻6冊。浅井了意作。万治年間(1658〜61頃)の成立・刊。楽阿弥という道心者の京への旅を、狂歌狂句、諧謔をおりまぜてつづった道中記。駅ごとに里数、名所旧跡、駅路の状況、風俗、産物などを詳細に記して旅行案内記も兼ねる。後の道中記・名所記に大きな影響を与えた。
・付かぬこと(つかぬこと)[=ないこと・んこと] 前述の事柄や、今まで話されていたことと何ら関係のないこと。出し抜けなこと。思い掛けないこと。 用例:滑・浮世風呂−二「つかねへことでございますが、御惣領のお姉さんは、たしかお片付なさいましたっけネ」 例:「付かぬことをお尋ねしますが」
・束の間(つかのま・あいだ) 「一束(ひとつか)」は、指四本の幅のこと。時間がごく短いこと。少しの間。 用例:万葉−五〇二「夏野行く小鹿の角の束間(つかのま)も妹が心を忘れて思へや」
・掴ませる(つかませる) 1.握らせる。手に取らせる。2.賄賂(わいろ)を受け取らせること。 類:●握らせる 3.嘘を吐(つ)いて欠陥品や偽物を買わせること。
・掴みどころがない(つかみどころがない) 証拠や論拠にする手掛かりがない。判断する材料が少ない。 類:●捕えどころがない