−つき2(tuki2)−
・月の主(つきのあるじ) 月を客に人を主に見立てて、月を深く愛し、眺(なが)めている人。
・月の色人(つきのいろびと) 月の美しさを擬人化して言った言葉。
・月の桂を折る(つきのかつらをおる) 文章生が官吏登用試験に及第する。 類:●桂を折る 出典:「酉陽雑俎−天咫」 参考:月の桂(つきのかつら) 古代中国の伝説で、月の中に生えているという高さが500丈(約1500メートル)の桂の木。月の中の桂。月桂。
・月の頃(つきのころ) 月が出ている頃。月が良く見える頃。特に、陰暦で15日を中心とした前後の数日間のこと。満月前後の数日間。 用例:枕−一「夏はよる。月の頃はさらなり」
・月のさ筵(つきのさむしろ) 月の光が寒々と射し込んでくる寝床。
・月の雫(つきのしずく) 露(つゆ)の異称。朝方に生じるところから言う。
・月の霜(つきのしも) 月の光が白く冴え冴えと射している様子を、霜に喩えていった言葉。
・月の剣(つきのつるぎ) 三日月(みかづき)の異称。その形が刀剣に似ているところから。
・月の名残り(つきのなごり) 秋の月の最後という意味。陰暦8月十五夜の月に対して、9月十三夜の月を指す。 類:●後(のち)の月
・月の鼠(つきのねずみ) 月日が過ぎゆくこと。 類:●月日の鼠 説話:「賓頭盧説法経」 仏教で、人が象に追われて、木の根を伝わって井戸の中に隠れたところ、井戸の周囲には四匹の毒蛇がいてその人を噛もうとし、また、木の根を黒・白二匹の鼠が齧ろうとしていたというの話。象を無常、鼠を昼と夜、毒蛇を地・水・火・風の四大に喩えてた。 出典:賓頭盧説法経(びんずるせっぽうきょう) 賓頭盧突羅闍爲優陀延王説法經。求那跋陀羅。・・・詳細調査中。賓頭盧は釈迦の弟子で、十六羅漢の第一。
・月の前の一夜の友(つきのまえのいちやのとも) 月の光の下で一晩語り明かした友。また、風雅の交わりの喩え。
・月の前の灯火(つきのまえのともしび) 明るい月の光の下では、折角の灯火もあまり見映えがしないところから、優れた物に比較されて、少しも引き立たないこと。見る影もなく、気圧されていること。 類:●太陽の前の星●月の前の星
・月日に関守りなし(つきひにせきもりなし) 月日が通り過ぎてゆくのを止められる関守りなどいない。月日があっという間に過ぎ去ってしまうことの喩え。 類:●光陰矢の如し●歳月人を待たず
・月日に添う(つきひにそう) 月日が経過するのに従う。
・継ぎ穂がない(つぎほがない) 寄り付いたり、言葉を掛けたりする糸口がない。会話を続けていくきっかけがない。 例:「話の継ぎ穂がない」
・月満つれば則ち虧く(つきみつればすなわちかく) ものごとは盛りに達すると必ず衰(おとろ)え始めるものである。ものごとには、必ず栄枯盛衰があるということ。 類:●物盛んなれば則ち衰う 出典@:「易経−豊・彖伝」「日中則昃、月盈則食、天地盈虚、与時消息」 出典A:「史記−范雎蔡沢列伝」「日中則移、月満則虧、物盛則衰」
・付き物(つきもの) 1.その物に当然付属してある筈のもの。物がその機能を発揮するためには欠くことのできない付属品。 類:●付け物 2.ある物の属性、結果、また、その一部分や、取り合わせとして、必ず付随するとされているもの。 例:「冒険に危険は付き物だ」 3.余分だったり邪魔だったりするもの。4.書籍や雑誌に綴じ込まれた、または、挟み込まれた付属の印刷物。
・憑き物が落ちたよう(つきものがおちたよう) 取り憑いていた狐や猫などの霊が祓(はら)われたようだという意味で、迷いなどが吹っ切れて清々しい顔つきになること。 ★日本では、憑依するのは動物の霊とされ、人の霊は専(もっぱ)ら幽霊として出るものとされる。
・付き物離れ物(つきものはなれもの) 付いたものは離れると決まっていること。付いたり離れたりして、人の世の中は定めがないということ。
・月夜に釜を抜かれる(つきよにかまをぬかれる)
・月夜に提灯(つきよにちょうちん)
・月夜の蟹(つきよのかに) 痩せて肉のない蟹。転じて、中身がないことの喩え。 ★月夜には蟹は餌をあさらないので肉がないということから<大辞林(三)>
・月夜の晩ばかりじゃない(つきよのばんばかりじゃない) 月のない真っ暗な晩には、どこに誰が潜(ひそ)んでいるか分からないから、精々(せいぜい)気を付けろよということ。脅しの言葉として用いる。 類:●夜道には気を付けろ
・月よ星よと(つきよほしよと) 月や星を美しいものと仰いでやまないように、あるものをこの上なく寵愛したり賞美したりすること。 類:●蝶よ花よと 例:「月よ星よと眺める」
・月を指せば指を認む(つきをさせばゆびをもとむ) 月を指差して教えると、月を見ないで指を見る。道理を説明しても、文字や言語に捉(とら)われて本旨を理解しないことの喩え。
出典:首楞厳経(しゅりょうごんきょう) 仏書。「大仏頂如来密因修証了義諸菩薩万行首楞厳経」の略名。10巻。般剌蜜帝訳。修禅・五根(眼・耳・鼻・舌・身)円通などについて禅法の要義を説いた経。一名、「中印度那爛陀大道場経」。