−つま(tuma)−
・爪先上がり(つまさきあがり) 1.少しずつ登りになること。また、そのような道を登って行くこと。 類:●爪(つま)上がり 例:「爪先上がりの山道」 2.足先を上方に向けること。足を上げること。
・躓く石も縁の端(つまずくいしもえんのはし) 歩いていてふと躓いた石でさえ、数ある石の中でなんらかの縁があって足に当たったものである。 1.この世の中で出会うことはすべて、何かの因縁で結ばれているということ。 類:●一樹の蔭一河の流れも多生の縁●袖振り合うも多生の縁 2.どんな些細(ささ)なことでも疎(おろそ)かにしてはいけないということ。
・妻の言うに向こう山も動く(つまのいうにむこうやまもうごく) 1.動くはずのない向かいの山も、妻が動けと言えば動くかもしれぬということ。家庭の中で妻の権威が絶大であることの喩え。2.普段(ふだん)人の言うことに耳を貸さない人でも、妻が言えば従ってしまうということ。
・摘み出す(つまみだす) 1.小さなものを指先で摘んで外へ出す。2.邪魔者などを乱暴にその場所から追い出す。 例:「部外者を摘み出せ」 用例:浄・唐船噺今国姓爺−上「つまみ出してくれんと、両臣両手を引たつる」 用例の出典:唐船噺今国姓爺(からふねばなしいまこくせんや?) 浄瑠璃。・・・調査中。
・詰まらない(つまらない)[=ぬ・ん] 1.金銭面で、収まりが付かない。また、遣り繰りが付かない。金に困る。 用例:浄・御前義経記−二「ありかの知れぬお咄にて少しつまらぬ所あり」 2.苦労の報(むく)いがない。張り合いがない。引き合わない。 用例:洒・廻覧奇談深淵情「しょせんここでどうのこうのといった所がつまらねへ」 例:「銭にならないんじゃ詰まらない」 3.不都合である。困ってしまう。 用例:伎・加州桜谷血達磨−二「『身請けの金は親方へ渡して置いた<略>』杉迷惑し『それではつまらぬ』」 4.心が惹(ひ)き付けられない。興味が湧(わ)かない。面白くない。 類:●下らない 例:「詰まらない映画だった」 5.値打ちがない。取るに足りない。 類:●ちんけ 例:「つまらない物ですが御笑納ください」 6.道理に合わない。納得できない。 類:●理不尽な●下らない 用例:浄・盛久−道行「是はつまらぬお詞かな、弥太郎とやらんをとむる関ならば、弥太郎斗をとめ給へ」 例:「お互いつまらない意地を張っていた」 ★動詞「つまる(詰)」の未然形に助動詞「ない」が付いたもの<国語大辞典(小)> 用例の出典:加州桜谷血達磨(かしゅうさくらがやつちのだるま) 歌舞伎。血達磨物。細川家出火の際、お家の重宝の達磨の掛け軸を、自分の腹を切ってその内に入れて火災から守った忠臣大川友右衛門の話を脚色したもの。