−つみ(tumi)−
・罪が無い(つみがない) 1.咎(とが)めるべきところがない。欠点がない。 用例:源氏−真木柱「すこし物しけれど、いとあはれと見る時は、つみなうおぼして」 2.無邪気である。なんとなく憎めない。悪気がない。 例:「罪がない寝顔」
・罪なくして配所の月を見る(つみなくしてはいしょのつきをみる) 罪のない身で閑寂な片田舎へ行き、そこの月を眺める。すなわち、俗世を離れて風雅な思いをすること。侘(わび)しさの中にも風流な趣(おもむき)があること。 ★無実の罪により流罪地に流され、そこで悲嘆に暮れるとの意に誤って用いられる場合もある。 ★「古事談−一」などによると、源中納言顕基(あきもと)のことばといわれる<国語大辞典(小)> 出典:古事談(こじだん) 鎌倉時代の説話集。6巻。源顕兼編。建暦2年(1212)から建保3年(1215)の間に成立。王道・后宮、臣節、僧行、勇士、神社・仏寺、亭宅・諸道の6篇に分類された上代、中古の説話461を収める。文体は漢文体、仮名交り文など多様。
・罪の子(つみのこ) 人間のこと。キリスト教で、アダムの原罪が、その子孫である人間全体に及んでいるということから言う。
・罪を着せる(つみをきせる) 自分の犯罪や失敗などを、他人の罪・責任として押し付ける。
・罪を憎んでその人を憎まず(つみをにくんでそのひとをにくまず)[=悪んで〜] 犯した罪は罪として罰し憎んでも、その罪を犯した人までも憎んではならないということ。 類:●その罪を憎んでその人を憎まず 出典:「孔叢子−刑論」「古之聴訟者、悪其意、不悪其人」