−つね(tune)−
・常なし(つねなし) 1.永久不変ではない。変わり易い。無常である。儚(はかな)い。 類:●諸行無常 用例:古今−六〇三「こひ死なば誰が名は立たじ世の中のつねなき物といひはなすとも」 2.一定していない。それと決まっていない。 用例:俳・本朝文選−三「世を便々といふ鳥ありて、<略>遊ぶ所又常なし」 類:●常ならぬ 用例の出典:本朝文選(ほんちょうもんぜん)・風俗文選(ふうぞくもんぜん) 俳文集。宝永3年(1706)。芭蕉十哲のひとり森川許六(きょりく)編。10巻5冊。蕉門の俳人の俳文約120編を収めたもの。体裁は中国の『文選』や『古文真宝』に倣い、辞・賦など21類の文体に分ける。芭蕉の『幻住庵記(げんじゅうあんのき)』『柴門(さいもん)の辞』などは俳文の代表作。
・常ならず(つねならず)・常ならぬ 1.永遠不変でない。無常である。儚(はかな)い。 用例:拾遺−1300「常ならぬ世は憂き身こそ悲しけれ」 2.普通と違っている。並大抵ではない。 用例:浮・武家義理物語−一「殊に母がなげきも常(ツネ)ならず」 用例の出典:拾遺和歌集(しゅういわかしゅう) 平安中期の3番目の勅撰集。20巻。撰者、成立ともに未詳。花山法皇を中心に寛弘初年(1004)頃の成立か。「拾遺和歌抄」との関連が深い。四季、賀、別、物名、雑、神楽歌、恋、雑四季、雑賀、雑恋、哀傷に部立され、1351首の歌を収める。万葉歌や紀貫之、大中臣能宣、清原元輔の歌などが多い。三代集の一つ。拾遺集。
・恒の産(つねのさん) 一定の職業または資産。安定した職または財産。 用例:徒然草−一四二「人、恒の産なき時は、恒の心なし」 ★「恒産(こうさん)」の訓読み<国語大辞典(小)>
・常は(つねは) 1.いつもは。常日頃は。 用例:源氏−帚木「つねは、すこし、そばそばしく、心づきなき人」 2.いつも。始終。 用例:平家−一「つねは暇(いとま)を申ししかども」