−つら(tura)−
・面あ見ろ(つらあみろ) ⇒様(ざま)を見ろ
・面から火が出る(つらからひがでる) ⇒顔から火が出る
・面にて人を切る(つらにてひとをきる) 傲慢(ごうまん)な態度で他人の気持ちを傷付ける。
・面に泥を塗る(つらにどろをぬる) ⇒顔に泥を塗る 類:●面目を潰す●面を汚す●体面を汚す
・面に似せて巻子を巻く(つらににせてへそをまく) 「巻子」は丸く巻いた紬(つむぎ)糸のこと。人はそれぞれの性質によって、する事にも違いがある。
・面の皮(つらのかわ) 1.顔面の表皮。 類:●面皮 2.好い面の皮(いいつらのかわ)
・面の皮が厚い(つらのかわがあつい) 厚かましい。恥知らずで図々しい。 類:●面の皮の千枚張り●鉄面皮●厚顔無恥●面恥ない●厚顔である
・面の皮千枚張(つらのかわのせんまいばり) 恥知らずで、きわめて厚かましいこと。 類:●鉄面皮
・面の皮を剥く(つらのかわをむく)[=剥(は)ぐ・引ん剥く・引ん捲(めく)る] 図々しく厚かましい者の非行を暴(あば)いて恥を掻かせる。また、真実を暴いて面目を失わせる。
・面恥ない(つらはじない) 恥ずかしげもない。恥知らずである。 類:●厚顔無恥●鉄面皮●面の皮が厚い●面の皮の千枚張り 用例:狂言記・咲嘩「面恥(ツラハヂ)ない、よう伯父御ぢゃと云うてわせた」 参考:狂言記(きょうげんき) 江戸時代に刊行された能狂言の台本集。万治3年(1660)刊の「狂言記」、元禄13年(1700)刊の「続狂言記」「狂言記外五十番」、享保15年(1730)刊の「狂言記拾遺」(いずれも初版)を総称したもの。絵入りで各集5冊50番から成る。種々の異版が刊行され、読本として流布。 用例の出典:咲嘩(さっか) 狂言。各流。都に主の伯父(おじ)を迎えに行った太郎冠者は、騙されて察化という詐欺師を連れてくる。主は後難を恐れ、男を丁寧に持て成すが、その間にも太郎冠者が様々にしくじる。
・面汚し(つらよごし) 世間に対して体面を失うこと。名誉を傷付けること。主に、一人が原因で家や同族の面目を失う場合に用いる 類:●恥曝し 用例:滑・八笑人−三「ヘン江戸ッ子のつらよごし」 用例の出典:花暦八笑人(はなごよみはっしょうじん) 滑稽本。5編16冊。1〜4編は滝亭鯉丈・5編は一筆庵主人と与鳳亭枝成。池田英泉(溪斎)画。文政3年(1820)〜天保5年(1834)刊。佐次郎ら8人の遊び仲間が色々な茶番の趣向を企てて実践し、結局失敗に終わる。
・面を下げる(つらをさげる) 顔を持ち歩く意味で、悪いことをしたときと同じ顔付きでということ。恥を恥とも思わないこと。厚かましいこと。多く、「どの面を下げて」の形で使う。 例:「どの面下げて会いに来たのか?」
・面を拭う(つらをのごう) 恥を堪(こら)える。恥を忍ぶ。
・面を膨らす(つらをふくらす)[=膨らかす] 不服、不機嫌な顔付きをする。
・面を見返す(つらをみかえす) 自分を辱(はずか)しめた人に対して辱め返す。