−つる(turu)−
・剣の刃を渡る(つるぎのはをわたる) 鋭利な刀の刃の上を裸足で歩くという意味で、極めて危険な事を行なうこと。ものごとが不安定な状態。 類:●剣の上を渡る●刀の刃を歩む●氷の上を歩く●剣を踏む●薄氷を踏む
・吊るし上げる(つるしあげる) 1.吊るして上の方に上げる。 類:●吊り上げる 例:「生け贄を縄で吊るし上げる」 2.眼尻や眉を上に上げる。 例:「眦(まなじり)を吊るし上げて怒る」 3.一人または少数の人を、大勢の人で厳しく責め詰(なじ)る。 例:「責任者を吊るし上げる」
・鶴の髪(つるのかみ) 「鶴髪(かくはつ)」の訓読み。白髪(しらが)のこと。
・鶴の毛衣(つるのけごろも) 1.鶴が着ている毛衣。鶴の羽毛のこと。2.鶴のこと。鶴は長寿であるとされるところから、慶賀の気持ちを込めて用いる。3.「焼け野の雉夜の鶴」から、子を思う情が深いことをいう。愛情込めて着せた産着(うぶぎ)のこと。
・鶴の子(つるのこ) 1.鶴の雛(ひな)。また、これから千年の寿命を保つといわれる鶴の雛に託して長寿を期する気持ちで用いられる。2.雲孫(うんそん=雲のように遠い子孫の意)のこと。3.曾孫の子。 参考:雲孫(うんそん) 自分から数えて九代めの子孫。子、孫、曾孫、玄孫(げんそん・やしゃご)、来孫(らいそん)、昆孫(こんそん)、仍孫(じょうそん)の次。
・鶴の脛(つるのはぎ) 着物が短いせいで、脛(すね)が出ている様子の喩え。
・鶴の脛も切るべからず(つるのはぎもきるべからず) 1.鶴の足が長過ぎるからといって、少し切った方が良いなどと言うと、鶴が悲しむ。物には全て特性があるのだから、妄(みだ)りに手を加えてはいけないということ。 類:●鴨の脛は短しと雖も之を続がば則ち憂えん 出典:「老子−駢拇」「鳧脛雖短、続之則憂、鶴脛雖長、断之則悲」 2.転じて、ものごとに関係ない者は、自分勝手な立場で無闇に批判をするものではない。
・鶴の林(つるのはやし) 1.釈迦入滅のとき、娑羅双樹(さらそうじゅ)が白鶴の羽のように白く変色して枯れたというところから、クシナガラ城外バツダイ河西岸の沙羅双樹の林のこと。2.釈迦の入滅のこと。 類:●鶴林(かくりん) 出典:「涅槃経」から出た言葉。
・鶴の彦(つるのひこ) 玄孫(やしゃご)の子。自分から5親等に当たる直系卑属。
・鶴の一声(つるのひとこえ)
・鶴の齢(つるのよわい) 長寿のこと。
・鶴は千年亀は万年(つるはせんねんかめはまんねん)
・釣瓶撃ち(つるべうち) 1.鉄砲などを撃つとき、多くの撃ち手が立ち並んで順次に休みなく撃ち出すこと。比喩的に、野球で、立て続けに安打を浴びせること。 類:●続け撃ち●連発 2.「鉄砲」に嘘の意味合いがあるところから、嘘を立て続けに言うこと。 用例:滑・浮世風呂−四「『作さんと飛八さんの掛合ぢゃア<略>』『つるべ打だネ』」
・釣瓶落とし(つるべおとし) 1.釣瓶を井戸に下ろすときのように、垂直に急速に落ちること。2.秋の日があっという間に暮れてしまうことを喩えた言葉。 例:「秋の日は釣瓶落とし」 3.相場が止め処なく急激に下がること。
・釣瓶縄井桁を断つ(つるべなわいげたをたつ) 井戸の釣瓶を繰り返し使っていると縄に擦(こす)られて井桁が擦り減ることから、些細なことでも繰り返し続ければ大きなことができる。根気良く続ければいつかは成果が得られるという喩え。 類:●雨垂れ石をも穿つ●人跡繁ければ山も窪む