−うか(uka)−
うかうか三十きょろきょろ四十(うかうかさんじゅうきょろきょろよんじゅう・〜しじゅう) うかうかと暮らしていつうちに三十代は過ぎ、きょろきょろと落ち着かぬ日を送っているうちに四十代もすぐ過ぎてしまうということ。人が老いるのは早いということ。 反:■三十の尻括(しりすぼ)り ★井上ひさしの戯曲(昭和33年1958)のタイトルからか。
伺いを立てる(うかがいをたてる) 1.神仏に祈ってお告げを請う。2.目上の人などに指示や意見を仰(あお)ぐ。
浮かされる(うかされる) 1.ものごとに心を奪われて夢中になる。また、煽(おだ)てられたりして心が浮わつく。 用例:浮・好色一代女−五「人に浮(ウカ)されて親の日をかまはず」 例:「ロック音楽に浮かされる」 2.高熱や激情などで意識が正常でなくなり、正気を失った状態になる。 用例:雑俳・水馴棹−三「嫉気の己が心に夢鬼(ウカ)されて」 例:「熱に浮かされる」 3.茶などを飲んで神経が昂(たか)ぶり、眠れなくなる。 用例:咄・鯛の味噌津−番太郎「茶にうかされると、夜ねられませぬから」 ★「れる」は、もと使役の助動詞<国語大辞典(小)> 用例の出典:水馴棹(みなれざお) 雑俳。・・・調査中。
穿つ(うがつ)・穿ったこと・穿った見方 1.裏に隠れた事情や細かい事実、また、世相や人情の機微を的確に指摘する。 滑・浮世床−二「人情のありさまをくはしくうがちて」 2.特に、普通には知られていない癖や欠陥を指摘する。 類:●詮索する 用例:「吾輩は猫である」「『何でも自分の嫌いな事を月並と云うんでしょう』と細君は我知らず穿った事を云う」 ★「悪く歪めた見方」「疑ってかかるような見方」「邪推して」のような解釈は誤用。 用例の出典:吾輩は猫である(わがはいはねこである) 小説。夏目漱石。明治38〜39年雑誌「ホトトギス」に発表。自ら「吾輩」と称する苦沙弥先生の飼い猫を主人公として擬人体で語ったもの。その家庭や出入りする変人たちの言動を初めとして、滑稽で陳腐な人間社会をユーモラスな筆致で批判、風刺した作品。
羽化登仙(うかとうせん) 1.中国の神仙思想で、仙人となって羽が生え仙界に登ること。2.酒に酔って良い気分になること。 出典:蘇軾「前赤壁賦」「飄飄乎如遺世独立、羽化而登仙」
浮かない(うかない)[=ぬ] 気になることがあって、気持ちが晴れやかでない。気分が沈んでいる。 用例:浄・津国女夫池−二「うかぬ顔色」
浮かばれない(うかばれない) 1.死んだ後の霊が遺恨を残して安らかになれない。成仏できない。2.苦境から脱け出ることができない。面目が立たない。 例:「あんな苦労をしたのだから成功しなかったら浮かばれない」
浮かび上がる(うかびあがる) 1.物が底の方から表面に出てくる。 用例:平家−一「此度泥犁(ないり)に沈みなば、〈略〉うかびあがらん事かたし」 2.意識に出てくる。思い出される。 例:「故郷の景色が心に浮かび上がる」 3.ものごとが外面に現われる。明かりや証拠などではっきりしてくる。 例:「容疑者が浮かび上がる」 4.苦境から脱け出る。運が開ける。また、立身出世する。 用例:日葡辞書「ツミヨリウカビアガル」
浮かぶ瀬(うかぶせ) 良くない状態から抜け出る機会。運が開けるチャンス。
浮かれ鳥(うかれどり) 1.まだ夜が明けないのに鳴いて朝を告げる鶏。2.ひと所に落ち着かないで飛び回る鳥や夜、ねぐらを離れて浮かれ歩く鳥のことを、人に喩えて使う。
浮かれる(うかれる) 1.楽しくてじっとしていられない気持ちになる。浮き浮きする。はしゃぐ。また、面白くて夢中になる。 用例:人情・春色梅児誉美−初「話にうかれて、薬をあげもふさなんだ」 例:「優勝に浮かれる」 2.自然に浮いている。 用例:日本書紀−神代上訓「洲壌(くにつち)の浮漂(ウカレただよへること)」 3.居所を離れてさまよう。 類:●流離(さすら)う 用例:今昔−16「年来仕へける所をも其の事となくうかれて」  用例:山家集−下「ここをまた我住み憂くてうかれなば」
鵜川の小鮎(うかわのこあゆ) 鵜飼をする川に棲む鮎のことで、逃れる方法がないことの喩え。