−うめ(ume)−
・埋め合わせ(うめあわせ) 不十分なところや損失などを、他のものごとで補(おぎな)うこと。また、そのためのもの。 類:●償(つぐな)い 例:「昨日の埋め合わせをする」
・梅一輪一輪ずつの暖かさ(うめいちりんいちりんずつのあたたかさ) 松尾芭蕉の弟子・服部嵐雪(はっとりらんせつ)の句をもじって言われる句。梅の蕾が一輪綻(ほころ)び、また一輪綻び、それにつれて少しずつ暖かくなってくるということ。日ごとに春めいてくることをいう。 ★嵐雪の句は、「梅(むめ)一輪一輪ほどの暖かさ」。一輪咲いた梅の花を見ていると、冬とはいえ、僅(わず)かながらその一輪だけの暖かさがもう感じられる。
・梅が香を桜の花に匂わせて柳の枝に咲かせたい(うめのかをさくらのはなににおわせてやなぎのえだにさかせたい) それぞれのものの最良のところだけを、一ところに集めてみたい。
・梅と桜(うめとさくら) 美しいもの、また、良いものが共に並んでいる様子。
・梅に鶯(うめにうぐいす) 取り合わせが良い二つのもの。美しく調和するもの。また、仲が良い間柄。
・梅の木学問(うめのきがくもん) 梅の木は生長が早いけれども結局大木にはならないということから、俄か仕込みの不確実な学問。 反:■楠学問
・梅の木分限(うめのきぶげん・ぶんげん) 梅の木は生長が早いが大木にならないということから、成り上がりの金持ち。 類:●にわか分限●成金 反:■楠(くすのき)分限
・梅は食うとも核食うな中に天神寝てござる(うめはくうともさねくうななかにてんじんえてござる)[=種(たね)〜] 生梅(なまうめ)の種には毒があることを戒(いまし)めて言うの言葉。 ★天神は菅原道真の霊。道真が梅を愛した故事により、梅の核を噛むと字を忘れるという俗言も生じた<国語大辞典(小)>
・梅は蕾より香あり(うめはつぼみよりこうあり) 将来大成する人は小さい頃からその素質が見られるものだということ。 類:●栴檀は二葉より芳し
・梅は花の兄菊は花の弟(うめははなのあに、きくははなのおとうと) その年最初に咲く梅の花を兄として、最後に咲く菊の花を弟として表現した。
・梅干婆(うめぼしばば・ばばあ) 梅干しのように皺の寄った老女。 用例:浄・寿の門松−上「塩のからい梅干ばばが」