−うも(umo)−
・う文字(うもじ) 「う」が語頭にくる語の女房詞(にょうぼうことば)。 1.内方(うちかた)。内儀(ないぎ)。妻のこと。2.宇治茶のこと。 用例:毛吹草−五「大ふくは年もう文字のうぢ茶かな」
・埋もれ木に花咲く(うもれぎにはなさく) 世間から忘れられた不遇の身に意外な幸運が訪れること。
・埋もれ木を折り入れる(うもれぎをおりいれる) 引っ込み思案である。 用例:紫式部日記「かういとうもれ木ををりいれたる心はせにて」 用例の出典:紫式部日記(むらさきしきぶにっき) 平安時代の仮名(かな)日記。2巻。紫式部著。道長政権最盛期の宮廷生活を、土御門殿における敦成(あつひら)親王の誕生を軸に精細に描写した日記部分と、他の女房の批評や自己の生い立ち、性格、心境などを回想、述懐した消息的部分からなる。紫日記とも。 人物:紫式部(むらさきしきぶ) 平安中期の女流物語作者。中古三十六歌仙の一人。978頃〜1014頃。本名未詳。女房名「紫式部」は「源氏物語」の紫の上と、父の旧官名による。藤原為時の女。藤原宣孝と結婚し賢子をもうけたがまもなく死別。寡婦時代に「源氏物語」を書き始め、道長に認められて中宮彰子に仕えた。また、皇子誕生、女房評などを書いた「紫式部日記」、家集「紫式部集」がある。