−うん(1)(un1)−
・雲雨の交わり(うんうのまじわり)[=情(じょう)] 男女の交情。また、性交。 参考:巫山の雲雨、朝雲暮雨 故事:宋玉「高唐賦」 楚の懐王(かいおう)が高唐に遊んだとき、朝には雲となり、夕べには雨となるという巫山(ふざん)の神女を夢みて、これと契(ちぎ)ったという。
・雲煙過眼(うんえんかがん) 雲が目の前を過ぎたからといって長くは心に留まめないように、ものごとをあまり心に留めないこと。 出典:蘇軾「宝絵堂記」
・雲煙飛動(うんえんひどう) 1.雲や霞が空を飛んで行くこと。2.筆勢がいきいきとしている様子。
・雲外淵底(うんがいえんてい) 雲の外と淵の底の意味で、遠く離れた土地。
・運が蹲う(うんがつくばう) 幸せが終わろうとする。運が尽きる。
・雲霞の如し(うんかのごとし) 雲や霞が湧き起こるように、人や兵士などが群がり集まる様子。
・運が向く 好運がやってくる。状況が良い方に向く。
・雲間の鶴(うんかんのつる) 雲中に飛ぶ鶴という意味から、凡人よりも高く抜き出た人格、世俗に染まらない高潔の士のこと。
・運気は根気(うんきはこんき) 運の良い悪いは、実は根気があるかないかに因るものだ。
・運気を刎ぬ(うんきをはぬ) 首を切る。首切りの刑に処す。
・雲霓望み(うんげいのぞみ) 日照り続きのときに、雨が降って虹の出るのを待ち望む気持ち。民衆の非常に切実な希望。 出典:「孟子−梁恵王・下」「民望之、若大旱之望雲霓也」
・雲合霧集(うんごうむしゅう) 雲や霧のように、人がたくさん集まること。 出典:「史記−淮陰候伝」「天下之士、雲合霧集、魚鱗襍トウ、煙至風起」
・運根鈍(うんこんどん) 成功するためには、幸運に巡り会うこと(運)、根気が良いこと(根)、粘り強いこと(鈍)、この三つが必要である。 類:●運鈍根
・雲散霧消(うんさんむしょう) 雲や霧が、風で散ったり日の光で消えたりするように、ものごとが跡形なく消えてなくなること。 類:●雲消霧散
・雲集霧散(うんしゅうむさん) 雲や霧のように集まっては散り集まっては散りすること。 類:●雲消霧散 出典:班固「西都賦」「沈浮往来、雲集霧散」 人物:班固(はんこ) 中国後漢の歴史学者。字は孟堅。班超の兄、班昭は妹。西暦32〜92(建武8年〜永元4年)。父の班彪(はんぴょう)の遺志を継いで「漢書」を編集し、ほぼ完成させたが、私怨により中傷を受け投獄されそのまま獄中で死んだ。その後、未完の部分は妹の班昭が完成させた。また、「白虎通」を著した。また「両都賦」で前漢の長安と後漢の洛陽の二つの首都のどちらが優れているかを比べ、洛陽に軍配を上げた。
・雲消霧散(うんしょうむさん) 雲や霧が散ったり消えたりするように、ものごとが跡形なく消えてなくなること。
・雲蒸竜変(うんじょうりゅうへん) 雲が群がり湧くのに乗じて、蛇が竜となり天に上るという意味で、英雄、豪傑が時期を捉えて大いに活躍すること。
・運上を取る(うんじょうをとる) 誰々から運上を取る立場にあるということで、その人以上である。その人や物より優れている。その上を行く。 用例:浮・風流曲三味線−五「疱瘡の神から運上取(ウンジャウトル)やうな黒菊石(くろみっちゃ)」
・雲心月性(うんしんげっせい) 《四熟》 雲や月のような清らかな心や性質。名利を求めず、孤高に安んじる。 類:●無欲恬淡(てんたん)
・産んだ子より抱いた子(うんだこよりだいたこ) 生んだだけの自分の子よりも、小さい時から育てた他人の子の方が、情が移って可愛い。
・膿んだものが潰れたとも言わない(うんだものがつぶれたともいわない)[=膿んだものともとも〜] 返事や音沙汰(おとさた)がない。
うん太郎(うんたろう) うっかり者。〔俚言集覧〕 類:●阿呆 出典:俚言集覧(りげんしゅうらん) 江戸中期の国語辞書。26巻。太田全斎著。成立年未詳。「雅言集覧」に対するもので、俗語・方言・諺の類を集成、五十音図の横列の順に配列、語釈を施す。同じ著者の俗諺集「諺苑」を元にしたもの。井上頼圀・近藤瓶城が増補・改編し、五十音順とした「増補俚言集覧」(3巻)により一般に流布した。
・雲端に霾る(うんたんにつちふる) 雲の端から土混じりの風が吹いてきて、辺り一面が暗い様子。 出典:杜甫の詩「鄭馬宅宴洞中」
・薀蓄を傾ける(うんちくをかたむける) 自分の学識や技能のありったけを発揮する。 「薀蓄」の出典:「慎思録」「見其才器之所薀蓄優且長也」 出典:慎思録(しんしろく) 儒学書。貝原益軒。6巻。正徳4年(1714)。学問・修養に関する意見を、中国の故事を引用して述べたもの。「貞娯集」「大疑録」と共に晩年の三部作の一つ。
・雲中の白鶴(うんちゅうのはっかく) 雲中に飛ぶ鶴という意味から、凡人よりも高く抜き出た人格、世俗に染まらない高潔の士のこと。 類:●雲間の鶴
・うんつく太郎左衛門(うんつくたろうざえもん) 知恵が足りない者のこと。