−うん(2)(un2)−
・雲泥の差(うんでいのさ)
・雲泥万里(うんでいばんり) 天と地のように隔たっていること。大きく違っていること。 類:●月と鼈
・うんともすんとも 下に打消しの表現を伴って、一言の反応もない様子を表わす。なんの一言も。良いとも嫌だとも。 類:●ちんともかんとも 用例:浄・弘徽殿鵜羽産家−道行「多勢を左右に引受て、うん共すん共石清水坂をくだりに追さげたり」 ★「すん」は「うん」に語呂(ごろ)を合わせたもの<国語大辞典(小)> 用例の出典:弘徽殿鵜羽産家(こうきでんうのはのうぶや) 浄瑠璃。近松門左衛門。正徳2年(1712)。花山帝が弘徽殿女御を失った悲嘆と鬼神怨霊の出没に、頼光四天王が活躍する<近松門左衛門でござーい!>
・云々(うんぬん) 1.引用文などを書くとき、それ以下を省略したり、ぼかしたりするときに、その末尾に添える言葉。 類:●しかじか 用例:今昔−一「其の文に云く『<略>能竭煩悩、当尽苦辺際云々』」 2.省略でなく、普通の文末を間接法の形で結ぶ言葉。…という話である。…ということである。 ★多く変体漢文などで「と云々」の形で用いられ、「といへり」「てへり」と読む慣用もある<国語大辞典(小)> 用例:打聞集−智證大師験事「爾時弟子已前合点云云」 3.言えないことをぼかすときに使う。言うに言われぬ事情。4.「云々する」の形で、あれこれ言うこと。とやかく批評すること。 例:「云々するまでもない」 用例の出典:打聞集(うちぎきしゅう) 平安末期の仏教説話集。下巻だけ残る。著者未詳。長承3年(1134)以前成立。インド、中国、日本の霊験説話27編を所収。「今昔物語集」「宇治拾遺物語」と内容の重複がある。説経の素材の覚え書きかという。
・運の尽き(うんのつき)[=極(きわ)め・蹲(つくば)い] 命運が尽きて最後の時が来たこと。また、そのことを事実として示しているような事柄。 類:●百年目
・運の悪さに屁の臭さ(うんのわるさにへのくささ) 地口(じぐち)の一つ。 まったく付いてないということ。運をうんこのウンに掛け、屁も臭いと洒落たもの。
・運は天に在り(うんはてんにあり) 人の運は全て天命によるもので、人間の力ではどうすることもできないものだ。 類:●命は天にあり●運否天賦(うんぷてんぷ) 出典:上杉謙信「春日山城壁書」「運は天に在り。鎧は胸に在り。手柄は脚に在り」 ★「常在戦場の心得」として永禄9年(1566)、謙信が居城・春日山城内に壁書きしたと伝えられる。
・運否天賦(うんぷてんぷ) 運の良し悪しは、すべて天が采配(さいはい)するものであるということ。運を天に任(まか)せること。 用例:俳・七番日記−文化一二年五月「笋のウンプテンプの出所哉」 ★「ふ(否)」は、中世における通行音。「天賦」は この場合、ほとんど実質的意味を持たない<新明解国語辞典(三)> 用例の出典:七番日記(しちばんにっき) 江戸後期の句日記。1冊。小林一茶。文化7年(1810)正月から同15年12月までの日記で、筆者および友人の俳句などをも収める。 人物:小林一茶(こばやしいっさ) 江戸後期の俳人。1763〜1827。通称、弥太郎。本名、信之。信濃柏原の人。14歳の時、江戸に出る。のち二六庵竹阿(ちくあ)の門に入り、俳諧を学ぶ。全国各地に俳諧行脚の生活を送ったが、晩年故郷に帰る。その作風は鄙語、俗語を駆使したもので、日常の生活感情を平明に表現する独自の様式を開いた。
・雲霧披きて青天を観る(うんむひらきてせいてんをみる) ものごとが雲や霧を取り去ったようにはっきりする。曖昧(あいまい)でなくなる。 出典:「晋書−楽広伝」「見之瑩然、若披雲霧而観青天也」
・運用の妙は一心に存す(うんようのみょうはいっしんにそんす) 戦術や法式は、それだけでは役に立たず、それを臨機応変に用いる妙味はその人の心一つにある。 出典:「宋史−岳飛伝」「陣而後戦、兵法之常、運用之妙、存乎一心」
・雲路(うんろ) 1.雲が棚引(たなび)いている山道。また、鳥などが飛ぶ空の道。2.官職に就いて出世すること。
・運を天に任せる(うんをてんにまかせる)[=天道に〜] 成り行きを天の意志に任せる。運命に従う。