−うり(uri)−
・売り家と唐様で書く三代目(うりいえとからようでかくさんだいめ) 初代が苦労して作った財産も、三代目ともなれば没落して、ついに自分の家を売りに出す。その売家札の字が唐様(=江戸中期に流行した、明風の書体)で、遊芸に溺(おぼ)れた生活が忍ばれる、という意味の川柳。
・売り言葉に買い言葉(うりことばにかいことば)
・売り込む(うりこむ) 1.巧く宣伝したりして買う気を誘い、品物を売り付ける。2.これから関係を付けようと思う相手に、こちらを印象付けるように働き掛ける。また、巧く言い包(くる)めて信用させる。 例:「自分を売り込む」 3.金品を目当てに、他人の秘密などを特定の人に漏らす。 例:「極秘情報を売り込む」 4.市場で、腰を据えて盛んに売る。
・売り出し三年(うりだしさんねん) 1.商売というものは、開業当初には経営も苦しく我慢が必要だが、三年も我慢すれば軌道に乗るものだ。 類:●商い三年 2.ものごとはすぐに上手くゆくものではなく、暫(しばら)くの間は我慢しなさいということ。 類:●首振り三年
・売り出し中(うりだしちゅう) 今まさに有名になりつつあること。ここに来て急に人気が高くなっていること。また、その人。 例:「目下売り出し中の新進作家」
・瓜に爪あり爪に爪なし(うりにつめありつめにつめなし) 字形のよく似た「瓜(うり)と爪(つめ)」との字画の相違を説明した言葉。
・瓜の皮は大名に剥かせよ、柿の皮は乞食に剥かせよ(うりのかわはだいみょうにむかせよ、かきのかわはこじきにむかせよ) 瓜の皮は厚く剥く方が良く、柿の皮は薄く剥く方が良いということ。適切な加工法は、ものによって異なるものだということ。また、ものごとには、向き不向きがあるということ。 類:●魚は大名(上臈)に焼かせよ餅は乞食(下衆)に焼かせよ●適材適所 ★「梨の皮は姑(しゅうとめ)に剥かせ柿の皮は嫁に剥かせよ」などとも言う。
・瓜二つ(うりふたつ) 「瓜を二つに割ったよう」を略した言葉。顔が良く似ていることの喩え。
・売り物には花を飾れ(うりものにははなをじゃられ) 売り物は良く見せるために美しく飾れということ。遊女や婚期の娘などについても使う。 ★略して「売物には花」とも<国語大辞典(小)>
・瓜を二つに割ったよう(うりをふたつにわったよう) 二つに割った瓜のそれぞれのように、親子、兄弟などの顔形が良く似ていることの喩え。 類:●瓜二つ●瓜を二つ
・瓜の蔓に茄子は生らぬ(うりのつるになすびはならぬ)