−うさ(usa)−
・兎死すれば狐これを悲しむ(うさぎしすればきつねかなしむ) 同類の不幸をその縁者が悲しむこと。 類:●狐死して兎泣く
・兎に祭文(うさぎにさいもん) いくら説(と)き聞かせても、何の効果もないことの喩え。 類:●馬の耳に念仏
・兎の角(うさぎのつの) 実際には無いものを有ると言うこと。また、実際にはないことのたとえ。 類:●兎角
・兎の登り坂(うさぎののぼりざか) ものごとが良い条件のために早く進む様子。
・兎の糞(うさぎのふん) 兎の糞のように切れ切れで続かないことを洒落ていった言葉で、長続きのしないこと。 類:●三日坊主
・兎の股引(うさぎのももひき) なにごとをやっても最初だけで後が続かない者のことを指す。
・兎兵法(うさぎへいほう・うさぎびょうほう) 本当の兵法を知らず好い加減な策略を用いて、却(かえ)って失敗すること。転じて、実際に役立たないことの喩え。 類:●生兵法
・兎耳(うさぎみみ) 1.兎のように長い耳。2.綱や紐などの端を兎の耳の形の輪に結んだもの。 類:●蛇口(へびくち) 3.人の知らない噂などをよく聞き出してくること。また、その人。 類:●地獄耳
・兎も七日弄れば噛み付く(うさぎもなぬかなぶればかみつく) どんなに大人しい人でも、長い間いじめられたり、辱めを受けたりすれば、終いには怒り出すということ。忍耐にも限度がある、ということ。 類:●仏の顔も三度
・兎を得て蹄を忘る(うさぎをえてわなをわする) ものごとが成し遂げられたならば、そのために取った手段のことは打ち捨てても良い。転じて、手段に拘(こだわ)り過ぎて本質を見失ってはならないということ。 類:●魚を得て筌(うえ)を忘る●忘蹄(ぼうてい) 出典:「荘子−外物」「蹄者所以在兎、得兎而忘蹄」
・兎を見て鷹を放つ(うさぎをみてたかをはなつ) 1.手遅れだと思っても諦めてはいけない。また、事を見極めてから対策を立てても遅くないということ。2.事態が差し迫ってから慌てて行動に移ること、また、急いだ結果、事を仕損じることの喩え。 類:●兎を見て犬を呼ぶ●亡羊補牢●泥棒を見て縄を綯う
・胡散臭い(うさんくさい) 「胡散」は、疑わしい・怪しいという意味。なんとなく疑わしい。どことなく怪しくて気が許せない。 用例:滑・膝栗毛−五「うさんくさいとおもひおったが、もしや護摩のはいじゃないか」 ★「う」は「胡」の唐宋音<国語大辞典(小)> ★接尾語の「臭い」は、そのような傾向がある・そんなふうに思える・それに似ている・〜らしいなどの意。 例:「面倒臭い」「辛気臭い」「洒落(しゃら)臭い」「いんちき臭い」