−うし2(usi2)−
・牛は嘶き馬は吼え(うしはいななきうまはほえ) ものごとが逆さまで思い通りに行かないことの喩え。 類:●石が流れて木の葉が沈む
・牛は牛連れ(うしはうしづれ)
・牛は願いから鼻を通す→牛と芥子は願いから鼻を通す
・牛部屋の吹き矢(うしべやのふきや) 牛部屋で吹き矢を吹き誤ると危険であることから、十分慎重に行動しなくてはならないことの喩え。
・氏より育ち(うじよりそだち)
・後ろ髪を引かれる(うしろがみをひかれる) 後に心が残って、先へ進むことができない状態。 類:●未練が残る
・後ろ暗い(うしろぐらい) 1.疚(やま)しいと感じるところがある。 用例:浮・傾城禁短気−四「うしろぐらき事をして、若しあらはれては」 類:●後ろめたい 2.本心は違うのではないかと疑わしい。行動に裏表がある。 類:●二心(ふたごころ)がある 用例の出典:傾城禁短気(けいせいきんたんき) 浮世草子。6巻6冊。八文字屋自笑作とあるが、実際は江島其磧。宝永8年(1711)。巻1、2では女色、男色の優劣を論じ、巻3では公娼対私娼の争いを描き、巻4、5、6では吉原、新町、島原に即して色道の聖(ひじり)がその奥儀を伝える。
・後ろ向き(うしろむき) 1.後方を向く。背中を向ける。2.相手にしない。 類:●そっぽを向く 3.考え方や取り組み方などが消極的・後退的であること。 例:「後ろ向きな政策」 反:■前向き
・後ろめたい(うしろめたい) 1.後ろ暗いところがあって、良心が咎(とが)める。疚(やま)しい。気恥ずかしい。2.後のことが気懸かりだ。将来が心配だ。成り行きが不安だ。 類:●心許ない 反:■後ろ安し 用例:古今−秋上「をみなへし後ろめたくも見ゆる哉あれたるやどにひとりたてれば」 3.気が許せない。信用できない。油断がならない。 用例:枕−104「やがて御屏風にそひつきてのぞくを『あしかめり。うしろめたきわざかな』と」 ★「後ろ目痛し」の転<大辞林(三)>
・後ろ指を差される(うしろゆびをさされる) 他人から非難されること。陰で悪口を叩かれている状態。
・後ろ指を差す(うしろゆびをさす) その人を指(さ)して嘲(あざけ)る。陰で悪口を言ったり非難したりする。
・後ろを見せる(うしろをみせる) 1.敵に背を見せて逃げる。 用例:平家−九「まさなうも敵にうしろをみせさせ給ふものかな」 2.相手に弱みを見せる。また、責任などを逃れようとする。
・牛を搏つの虻は以て虱を破るべからず(うしをうつのあぶはもってしらみをやぶるべからず) 牛を刺し殺すことができるほどの虻でも、虱を殺すことはできないという意味で、小さくても堅固なものは、破ることが難しいということ。 出典:「史記−項羽本紀」「夫搏牛之、不可以破蝨」
・牛を馬に乗り替える(うしをうまにのりかえる)
・牛を食らうの気有り(うしをくらうのきあり) 虎や豹の子は、まだ毛の模様がはっきりしない幼獣の頃から、牛を食おうとするほどの気概がある。既(すで)に幼い時分から優(すぐ)れた気性を備(そな)えている者の喩え。 類:●虎子(こし)は地に落ちて牛を食う●竜は一寸にして昇天の気あり●蛇は一寸にしてその気を得る●実の生る木は花から知れる●栴檀は双葉より芳し 用例:「太平御覧−獣・虎」「屍子曰、虎豹駒、雖文成文、已有食牛之気」 出典:尸子(しし) 中国の諸子雑家書。戦国時代の尸佼(しこう)撰。紀元前4世紀頃成立。20篇。現存2巻。南宋代に散逸し、現行本は清代に古書から断片を集めたもの。王道を明らかにし、仁義を重んじ、孔子を尊んでいるが、墨子その他の諸子の説も同列に併(あわ)せ論じてあるので諸子に入れられた。
・牛を蜂が刺す(うしをはちがさす)[=蚊がせせる] 牛の角を蜂や蚊がさしても牛は痛くも痒くも感じないように、ものごとに対してなんとも感じないことのたとえ。 類:●牛の角を蜂が刺す●鹿の角を蜂が刺す