−うて(ute)−
・腕一本(うでいっぽん) 地位、財産、背景などがなく、自分の技能や力だけを頼りにすることの喩え。 類:●裸一貫 例:「腕一本で産を成す」 ★「腕一本脛(すね)一本」とも<国語大辞典(小)>
・腕が上がる(うでがあがる) 1.技術や芸が上達する。2.飲める酒の量が以前より増える。
・腕が後ろへ回る(うでがうしろへまわる) 逮捕者は後ろ手に縛られることから、罪を犯して検挙される。 類:●手が後ろへ回る
・腕が立つ(うでがたつ) 技量がとても優れている。 類:●遣り手●手腕家
・腕が鳴る(うでがなる) 力量を十分に発揮したくてむずむずする。 類:●腕をさする●腕を撫(ぶ)す
・腕尽く(うでずく) 1.腕力をふるって自分の思うようにすること。 用例:虎寛本狂言・胸突「腕づくでつれていて見せう」 2.自分の実力だけでものごとをすること。 用例:当世書生気質「腕ずくにて金も名誉(ほまれ)も意の如くに得られるからの奮発出精」 用例の出典:胸突(むねつき) 狂言。各流。男が借金の催促にやってくるが、相手は何だかんだと言って、中々返さない。力尽くでもと思った、「人殺し」と相手に喚(わめ)かれる。穏便に済まそうと思い、言われるままに借金を棒引きしてしまうが、それは相手の巧妙な戦略だった。
・腕試し(うでだめし) 身に付けた技量や力がどれぐらいか試すこと。
・腕っ節(うでっぷし) 腕力。腕の力。 例:「見るからに腕っ節が強そうだ」 ★「うでぶし」の促音添加<大辞林(三)>
・腕なしの振り飄石(うでなしのふりずんばい)[=振り相撲] 自分の力量を越えたことをすることの喩え。実力もないくせに虚勢だけを張ること。 用例:浄・出世景清−四「某をつかまんとは、うでなしのふりずんばい」 ★「振り飄石」は、竿の先端に結んだ紐に石を付けて飛ばすもの。投石の道具。
・腕に覚えがある(うでにおぼえがある) 自分が嘗(かつ)て身に付けた技量に自信がある。 例:「テニスは多少腕に覚えがある」
・腕に縒りを掛ける(うでによりをかける) 十分に腕前を発揮しようとして意気込む。 例:「腕に縒りを掛けて料理をする」 ★頭に巻く捻じり鉢巻きを腕に掛ける(=巻く)という意味からか。
・打てば響く(うてばひびく) すぐに反応する。直ちに反響が現れる。 類:●ツーといえばカー
・腕を上げる(うでをあげる) 1.技量が上達する。2.飲める酒の量が増える。
・腕を齧る(うでをかじる) 計略に引っ掛かる。 例:●一杯食う●牛に食らわる 用例:人情・春色雪の梅−四「どっこい其の腕は喰(カヂ)らねえ」 ★「手を食う」の俗語<国語大辞典(小)>
・腕を組む 1.腕組みをする。また、腕を組んで考える様子。2.人と人とが腕を組み合わせることから、一つの目標に向かって団結すること。
・腕を拱く(うでをこまねく・こまぬく) 1.腕を組む。2.自分は行動しないで、端(はた)で様子を見ている。 類:●傍観する
・腕を引く(うでをひく)[=突く] 誓約のために腕を刃物で切って血を出す。 ★町人、博徒などが、誓いを立てるとき、腕に傷を付け、また、酒に血をたらして飲み合ったりした<国語大辞典(小)>
・腕を揮う(うでをふるう) 技量や力を十分に発揮する。 例:「料理に腕を揮う」
・腕を磨く(うでをみがく) 技量が上がるように鍛錬する。腕前を上げるために修行する。 例:「ヨーロッパで菓子作りの腕を磨いた」