−わら(wara)−
・笑いが止まらない(わらいがとまらない) 嬉しくて堪(たま)らない。 例:「出せばミリオンセラーで、もう笑いが止まらない」
・笑い種(わらいぐさ) 笑いの種(たね)の意味で、笑いを誘う原因・材料のこと。物笑いの対象。 類:●お笑い種 源氏−行幸「近江の君見るこそよろづまぎるれとて、ただ笑い種につくり給へど」 例:「とんだお笑い種だ」
・笑い三年泣き三月(わらいさんねんなきみつき) 義太夫節の稽古は、泣くところより笑うところが難しい。
・笑いを殺す(わらいをころす) 笑いたい気持ちを抑えて、我慢する。
・笑いを含んで地に入る(わらいをふくんでちにはいる) 安心大悟して死ぬ。笑いながら悠々と死んで土に帰っていく。 出典:「後漢書−韓韶伝」「韶曰、長活溝壑之人、而以此伏罪、含笑入地矣」
・笑う門には福来たる(わらうかどにはふくきたる)
・笑う山(わらうやま) 早春になって薄緑色に色付いてきた、明るい感じの山の形容。 出典:「林泉高致−山水訓」 「春山澹冶如笑」 出典:林泉高致(りんせんこうち) 画論。中国北宋。画家の郭煕(かくき)。音を聞き、眺めることのできる景色が、名手によって幻出されるのが山水画の素晴らしさだと主張。
・藁が出る(わらがでる) 綿の代わりに入れてあった藁が出るということで、隠している短所や欠点が現れること。失敗がばれる。 類:●襤褸が出る●足が出る 用例:浄・当麻中将姫「いへばいふ程藁が出て見ぐるしし」 用例の出典:当麻中将姫(たいまちゅうじょうひめ) 浄瑠璃。近松門左衛門。元禄9年(1696)。姫の出家の動機を継母による継子虐待の物語として脚色されたもの。 参考:中将姫(ちゅうじょうひめ) 奈良当麻(たいま)寺に伝わる曼荼羅(まんだら)を織ったとされる伝説上の女性。藤原豊成の娘。天平年間当麻寺に入山し仏行に励んだ姫は、その徳により仏に会い、一晩のうちに蓮華の糸で曼荼羅を織りあげ、女人の身ながら極楽往生したと伝えられる。姫の出家の動機を継母による継子虐待の物語として歌舞伎、浄瑠璃、謡曲などに脚色される。
・草鞋を脱ぐ(わらじをぬぐ) 1.旅を終える。2.旅の途中で宿泊する。旅館に落ち着く。3.博徒(ばくと)などが、旅の途中でその土地の博徒の家に一時身を寄せる。
・草鞋を履く(わらじをはく)・穿く 1.旅に出発する。2.罪などを犯した者が、捕吏の追及を逃れるため、住む土地を離れて旅に出る。 例:「長の草鞋を穿く」 3.商人が、物の価値を高く偽る。また、仲介者が値段を高く偽って、上前を取ること。特に、奉公人などが買物の使いに行った際、物の値段を誤魔化して銭をくすねること。 類:●下駄を履かせる●上前を撥ねる
・藁苞に黄金(わらづとにこがね) 容器は粗末でも、中身は価値のあるものであること。真価は外側の美醜によって決められるものではないということ。
・藁で束ねても男は男(わらでたばねてもおとこはおとこ)[=男一匹(おとこいっぴき)] 藁で髪の毛を束ねるような卑(いや)しい男でも、男には男の値打ちがある。地位もなく貧乏な暮らしをしていても、男には男の権威があるということ。 類:●箸に目鼻を付けても男は男●藁で束ねても男一匹
・藁にも縋る(わらにもすがる) 藁のように頼りないものにまで、取り縋って助かろうとするということ。転じて、抜き差しならない状態に立ち至り、どんなものでも当てにして縋ろうとする様子。 類:●切羽詰まる
・藁の上から(わらのうえから) 生まれたときから。生まれ落ちるとすぐに。
・藁の下下(わらのげげ) 藁草履(わらぞうり)の異称。
・藁を焚く(わらをたく) 1.煽(おだ)て上げる。唆(そそのか)す。扇動する。 類:●焚(た)き付ける 用例:浄・冥途の飛脚−中「梅川に藁をたき、あちらへやらうといふことか」 2.悪口を言う。貶(けな)す。腐(くさ)す。中傷する。3.古道具などを買うとき、色々と悪く言って値切る。