−やき(yaki)−
・焼きが回る(やきがまわる) 1.鍛治が刃物を作るとき、焼き加減が行き過ぎて、却(かえ)って切れ味が鈍(にぶ)る。2.年を取ったりして、頭の働きや腕前などが衰える。 類:●呆(ぼ)ける 例:「こんなことを見落とすなんて、俺も焼きが回ったな」 3.すっかり古惚(ふるぼ)けた状態になる。
・焼き餅焼くとて手を焼くな(やきもちやくとててをやくな) 度を越した嫉妬(しっと)は、自分に禍(わざわ)いを招くものであるから、慎(つつし)まなければならない。
・焼き餅を焼く(やきもちをやく) 焼き餅の「焼く」は、「妬(や)く」に通ずるところから、焼き餅は嫉妬(しっと)を意味し、嫉妬するとか、妬(ねた)むとかということ。特に、男女間の嫉妬について言う。 ★「焼く」は、心の働かせ方を比喩的に言う場合にも用いる。 1.心を悩ます。胸を焦がす。2.種々に気を配る。あれこれ面倒を見る。3.(「妬く」とも書く)嫉妬する。悋気する。4.嬉しがらせを言う。煽(おだ)てる。
・焼きを入れる(やきをいれる) 1.鍛治が刃物などを焼いて鍛(きた)える。2.人に苦しみなどを与えて鍛える。緩(ゆる)んだ気持ちを引き締めさせる。ぼんやりしている者に活(かつ)を入れる。 類:●活を入れる 例:「若い社員に焼きを入れる」 3.制裁を加える。拷問に掛ける。 例:「気に入らないから焼きを入れて来い」