−やく(yaku)−
・扼咽拊背(やくいんふはい) 《四熟》 人の弱みを押さえて苦しめ追い詰めること。「扼咽」は、のどを押さえて締めること。
・役者が上(やくしゃがうえ)[=一枚上] 知略や駆け引き、または、貫禄などにおいて抜きん出ていること。
・やくざ 1.ものごとが悪いこと。役に立たないこと。つまらないこと。粗末(そまつ)なこと。生活の態度がまともでないこと。また、そのもの。 例:「やくざな稼業」 ★カブ賭博の一種である三枚ガルタで、八(や)九(く)三(さ)の札がくると、ぶたのうちでも最悪の手になるところから<国語大辞典(小)> 2.派生して、博打(ばくち)打ち。無職渡世の遊び人。また、無頼漢(ぶらいかん)。 類:●やくざ者●破落戸(ごろつき) ★不良のこと。現在では、暴力団員のことも指す。
・役者に年なし(やくしゃにとしなし) 役者はどんな年齢の役でも演じることができる。また、良い役者は年齢と共に芸が磨かれるため、いつまでも年を取らないように見える。 類:●役者は年知らず●芸人に年なし
・薬石の言(やくせきのげん) 「薬石」は、病気を治す薬と、鍼(はり)治療の石鍼のこと。 1.薬と石鍼のように、人の身のためになる言葉。2.転じて、忠告や諫言(かんげん)のこと。 類:●箴言(しんげん) 故事:「新唐書−高馮」 唐の太宗の忠臣であった高馮(こうふう)が上奏(じょうそう)文で適切な助言や諫言をした。太宗はそれを「薬石の言」と称(たた)え、天然の薬石を褒美として与えた。
・薬石の効なし(やくせきのこうなし) 種々の薬や治療法を試みたが、その甲斐(かい)なく。あらゆる手を尽くしてみたが、その甲斐なく。 例:「兼ねてより病気療養中のところ薬石の効なく」 ★「石」は「石鍼(いしばり)」のこと。
・役立たず(やくたたず) 物の役に立たないこと。また、そういう者を罵(ののし)って呼ぶ言葉。 類:●穀潰し
・役に立たずの門立ち(やくにたたずのかどだち) 無能な者が門に立って騒いでも、なんにもならないということ。
・役に立つ(やくにたつ) その役目を果たすのに適している。その役割を十分に行なう能力がある。用が足りる。 例:「愚図だが力仕事には役に立つ」
・役人風を吹かす(やくにんかぜをふかす) 役人であることを殊更(ことさら)に強調するという意味で、自分は役人だと尊大に構えて威張る様子。
・厄病神(やくびょうがみ) 1.疫病を流行させるという神。 類:●疫病(えやみ)の神 2.人から忌み嫌われる人の喩え。 類:●貧乏神
・役不足(やくぶそく) 1.振り当てられた役目に対して、不満を抱くこと。与えられた役目に満足しないこと。2.その人にとって、役目や肩書きが軽過ぎて、力量を十分に発揮できないこと。役が不相応に軽いこと。 ★「彼では役不足だ」などの使い方は、「力量不足」との混同であり、誤用。
・櫓を上げる(やぐらをあげる) 櫓を作る。また、転じて、芝居や操り人形の座を作って興行を始めること。
・薬籠中の物(やくろうちゅうのもの) 薬箱の中にある薬品のように、いつでも必要なときに、自分の役に立ち、自由自在に使える人や物。 類:●自家薬籠中の物●懐刀