−やま2(yama2)−
・山のことは樵に聞け(やまのことはきこりにきけ) 山のことなら、山に詳しい樵に聞くのが一番である。実際に携(たずさ)わりそのことに長じている者に聞くのが一番である、ということの喩え。 類:●稼(か)は老農に如かず圃は老圃に如かず●海のことは漁師に聞け
・山の手(やまのて) 1.山の方。山に近い方。山のある地域。2.江戸或いは東京で、やや高台にある住宅地のこと。江戸時代には麹町、四谷、牛込、赤坂、小石川、本郷などを指し、殆(ほとん)ど大名や旗本などの武家屋敷と寺院で占められ、町家は稀だった。明治以降、官吏や地方出身の軍人などが多く居住する。 反:■下町 ★現在は広く世田谷・杉並区を含める<国語大辞典(小)> 
・山の端(やまのは) 山を遠くから眺めたとき、山が空に接する部分。 類:●稜線(りょうせん)
・山吹色(やまぶきいろ) 1.山吹の花のような色。黄色。 類:●黄金色●梔子(くちなし)色 2.色が似ているところから、小判や大判。
・山々(やまやま) 1.あちこちの山。たくさんの山。また、山岳仏教の多くの寺々。 例:「出羽の山々」 2.多いこと。たくさんあること。あるいは、程度の甚(はなは)だしいこと。 例:「言うべきことは山々ある」 3.この上ないこと。多く、熱望するが実際にはそうできないときに使う。 例:「出席したいのは山々ですが」
・山より大きな猪は出ぬ(やまよりおおきないのししはでぬ) いくら猪が大きいといっても、棲んでいる山より大きいことはない。誇張するにも限度がある、程々にしなさいということ。
・山笑う(やまわらう) 新緑や花などによって山全体が萌(も)えるように明るい様子。 用例:俳・笈の若葉「山笑ふ柳をしたふ名残かな」 用例の出典:笈の若葉(おいのわかば) 俳諧(紀行)。建部綾足(たけべあやたり)?。・・・調査中。 
・山を当てる(やまをあてる) 鉱脈や埋蔵物がある山を掘り当てること。転じて、可能性の少ないことに賭けて当てる。 例:「有馬記念で山を当てる」
・山を鋳海を煮る(やまをいうみをにる) 山からは鉱物を採掘して金属を鋳る、海からは海水を煮て塩を採るということ。国内には産物が豊富であるということ。
・山を掛ける(やまをかける)[=張る] 1.万に一つの幸せを狙って投機的な冒険をする。また、当て推量で物を言う。2.試験で、問題に出そうな箇所を推定する。
・山を成す(やまをなす) 山のような形を成す。物が堆(うずたか)く積んである。 類:●山成す
・山を抜く(やまをぬく) 力が強大で山を抜き取るほどである。 類:●抜山蓋世 出典:「史記−項羽本紀」「力抜山兮気蓋世、時不利兮騅不逝」
・山を踏む(やまをふく) 犯罪を実行すること。警察や犯罪者などが使う俗語。