−やせ(yase)−
・痩せ牛も数集れ(やせうしもかずたかれ) 弱小な者でも、数が集まれば力になるということの喩え。 類:●餓鬼も人数●蟻も軍勢
・痩せ腕にも骨(やせうでにもほね) 痩せて非力な腕でも、固い骨が通っているには違いがない。微力な者でもそれなりの意地や誇(ほこ)りを持っているということ。 類:●一寸の虫にも五分の魂
・痩せ馬の道急ぎ(やせうまのみちいそぎ) 1.無能な者ほど功名を急ぎ、その結果失敗するものである。また、競走などで、最初だけ先行するが、やがて息切れして追い越されてしまうこと。 類:●竜頭蛇尾●痩せ馬の一時●駄馬の先走り 2.心ばかり焦って、ものごとが捗(はかど)らないことの喩え。
・痩せ馬鞭を恐れず(やせうまむちをおそれず) 1.痩せ馬は、酷使(こくし)に慣れてしまって鞭を恐れない。堕落(だらく)した者や打ちひしがれた者は、無理強いをしても動かないということの喩え。2.また、そのような者には、脅(おど)すよりも愛情を持って接した方が良いということ。
・痩せ我慢は貧から起こる(やせがまんはひんからおこる) じっと我慢して苦しみや不自由を耐えるのも、貧乏であるためで、生活に困らなければ無理に我慢するようなこともないということ。
・痩せ我慢を張る(やせがまんをはる) 無理に我慢して堪え忍ぶという意味で、苦痛や欲望などをじっと耐えて平気な顔を装ったり、負け惜しみをして人の同情や援助を拒否したりすること。
・痩せ侍(やせざむらい) 雑役を仕事とする身分の低い侍。知行が低く貧乏な侍。また、それらを見下げ卑(いや)しめていう言葉。 類:●悴侍(かせざむらい)
・痩せても枯れても(やせてもかれても) どんなに零落(おちぶ)れても〜である。 類:●痩せても気触(かぶ)れても
・痩せの大食い(やせのおおぐい) 痩せているのにたくさん食べるという意味で、痩せている人は案外大食いであるということ。
・痩せ山の雑木(やせやまのぞうき) 痩山に僅かに生えている雑木という意味で、取るに足りないものの喩え。 類:●牛糞馬涎●塵芥(ちりあくた)