−よこ(yoko)−
・横板に雨垂(よこいたにあまだれ)[=泥(どろ)] 「立て板に水」の捩(もじ)り。つっかえつっかえしながらものを言うことの喩え。
・横紙破り(よこがみやぶり) ものごとを無理に押し通すこと。我を通すこと。また、そのような人。
・横紙を破る(よこがみをやぶる・やる) 和紙は、漉き目に沿って縦に裂くと裂け易いが、横には裂け難い。それを敢えて破るというところから、無理を押し通すこと。 類:●横紙を裂く●横車を押す●横に車を押す
・横車を押す(よこぐるまをおす) 横に車を押して動かすように、理に合わないことを無理に押し通すこと。理不尽なことを強引にする。 類:●横紙を裂く●横紙を破る●横に車を押す●倒行逆施
・横様の幸い(よこさまのさいわい) 思い掛けない幸運。偶然の幸い。 類:●僥倖(ぎょうこう)●まぐれ幸い●まぐれ当たり●こぼれ幸い
・横様の死に(よこさまのしに) 「横死(おうし)」の訓読み。災害や殺害など不慮の災難で死ぬこと。 類:●横死●非業の最期●不慮の死
・横槌で庭を掃く(よこづちでにわをはく)[=家を掃く] 1.急な客に慌てふためきながらも、手厚く持て成そうとすること。いろは歌留多(大坂)の「よ」の句。 類:●鎚で庭を掃く 用例:咄・一休咄−巻四の五「さて彼の僧一休なりとて、横槌にて庭はき、杓子で芋もり、御馳走申事、中々いふもおろかなり」 2.転じて、露骨(ろこつ)に世辞を言ったり、追従(ついしょう)したりすることの喩え。
・横手を打つ(よこでをうつ)[=合わせる] 1.思わず両手を打ち合わせる。意外なことに驚いたり、深く感じたり、また、はたと思い当たったりしたときなどにする動作。 用例:浄・曾根崎心中「九平次横手を打ち、なる程判はおれが判」
2.手を組む。
・横と出る(よことでる) 素直でない態度を取る。意地悪い態度を取る。旋毛(つむじ)曲がりなことをする。
・横流し(よこながし) 配給品や統制品などの物資を、正規の手続きを経ないでこっそりと転売すること。 例:「闇米の横流しをしている」
・横に車を押す(よこにくるまをおす)[=押し出す] 無理を押し通す。 類:●横に車●横車を押す
・横に出る(よこにでる) 無理なことを押し通す、脅かしたり強請(ゆす)ったりすること。 類:●横に渡る●横に行く●横を行く●横を言う●横を申す
・横になる(よこになる) 1.体を横たえる。臥(ふ)す。寝て休む。2.道理に合わなくなる。
・横に寝る(よこにねる) 1.返済、支払、納入などをしないでいる。特に、借りたものを返さないでいる。 用例:浮・懐硯−4「皆済時には横にねて幾度か水籠に打こまれ」
2.横領する。非道なやり方で取り上げる。強請(ゆす)り取る。
・横の物を縦にもしない(よこのものをたてにもしない) 面倒臭がって何もしない。極めて横着(おうちゃく)なたとえにいう。 類:●ものぐさ●縦の物を横にもしない
・横槍が入る(よこやりがはいる) 他人の談話、仕事などに横合いから、急に第三者が口出ししてくる。苦情や文句が入る。 類:●槍が入る
・横槍を入れる(よこやりをいれる) 1.両軍が入り乱れて戦っているとき、別の一隊が側面から槍で突き掛かる。2.他人の談話、仕事などに横合いから、急に第三者が口出しをする。傍(かたわ)らから非難めいた言い方をしたり、出しゃばった行ないをしたりする。 類:●差し出口をする