−よく(yoku)−
・よく言うものだ(よくいうものだ)[=奴(やつ)だ] よくそんなことが言えたものだ。江戸時代に流行した言い回し。 類:●よく言うよ
・善く游ぐ者は溺る(よくおよぐものはおぼる) 泳ぎの巧(うま)い者は水で死ぬものである。人は自分の得意とするところで失敗することが多いという喩え。 類:●善く騎(の)る者は墜つ●泳ぎ上手は川で死ぬ●川立ちは川で果てる●木登りは木で果てる 出典:「淮南子−原道訓」「善游者溺、善騎者墜」
・欲が張る(よくがはる) 欲が強く盛んになるという意味から、度を越して欲深く振る舞うこと。
・よくしたものだ 自(おの)ずから望ましいように、あるいは、相応(ふさわ)しいようになるものだ。 例:「世の中はよくしたもの」
・欲と相談(よくとそうだん) 何事につけても欲心から事を行なうこと。欲得ずくで事を行なうこと。
・欲と二人連れ(よくとふたりづれ) 欲心につられて行動すること。 類:●欲得ずく
・欲に目が眩らむ(よくにめがくらむ)[=眩(まぐ)る]
・欲の皮が張る(よくのかわがつっぱる)[=突っ張る] 欲が張ることを、皮が張ることに喩えて言った言葉。
・欲の熊鷹股裂くる(よくのくまたかまたさくる)[=股を裂く] 欲が深過ぎる者は禍(わざわい)を蒙(こうむ)るということの喩え。 類:●欲の熊鷹股から裂ける●二兎を追うものは一兎をも得ず●虻蜂取らず 説話:熊鷹が、二頭の猪を両足で掴(つか)み、猪(いのしし)が左右に逃げようとするのを放さなかったので、股が裂けて死んだ。
・欲の世の中(よくのよのなか) 世の中は全て利欲で動いているということ。 類:●地獄の沙汰も金次第
・欲も得もない(よくもとくもない) 欲心や利得をまったく考えない。また、欲得を考える余裕がない。 例:「怖くなって欲も得もなく逃げた」
・欲を言うと(よくをいうと)[=言えば] 今の状態でも不足はないが、なお一層を望むとすれば。 例:「欲を言うと人並みのボーナスが欲しい」
・欲を掻く(よくをかく) 欲深く振舞う。欲心(よくしん)を起こす。 類:●欲をかわく●欲張る
・欲をかわく(よくをかわく) ある一定の成果があるにも拘(かか)わらず、更に欲心を抱いてものごとをする。 類:●欲を掻く●欲張る