−よめ(yome)−
・嫁が君(よめがきみ) 鼠の異称。特に正月三が日の間、鼠をいう忌詞。 用例:虚子「三宝に登りて追はれ嫁が君」 人物:高浜虚子(たかはまきょし) 俳人、小説家。本名清。愛媛県松山市出身。1874(明治7年)〜1959。三高中退。正岡子規に師事。子規派の俳句雑誌「ホトトギス」を継承して主宰。「客観写生」を唱えて、俳句を花鳥諷詠の詩と主張し、大正・昭和の俳壇に君臨。著「鶏頭」「俳諧師」「風流懺法」「五百句」など。
・嫁座敷(よめざしき) 囲炉裏端(いろりばた)の嫁の座席。主婦権のない嫁が座る最も下位の席で土間に添った面。 類:●木尻(きじり)●猫の横座
・夜目遠目笠の内(よめとおめかさのうち) 女の容貌は、夜見るとき、遠くから見るとき、笠を被(かぶ)った顔の一部分を見るときは、姿形がはっきりしないので、より美しく見える。 類:●夜目山越し笠の内●嫁と反物は明るいところで選べ
・嫁と反物は明るいところで選べ(よめとたんものはあかるいところでえらべ) 女の容貌と、反物などの色柄は、暗いところでは実際よりも良く見える。
類:●夜目遠目傘の内●Choose neither women nor linen by candle light.(女性と下着は蝋燭の明かりの下では選べない)
・嫁に杓子を渡す(よめにしゃくしをわたす)[=譲(ゆず)る] 姑が主婦の座を嫁に渡す。 類:●杓子を渡す
・嫁の朝立ち娘の夕立ち(よめのあさだちむすめのゆうだち) 嫁が里帰りをする時は朝早くいそいそと出掛け、婚家へ帰る時は、夕方になってから、渋々と出ていく。嫁(とつ)いだ嫁にとって、実家は羽が伸ばせるということ。
・嫁の三日褒め(よめのみっかぼめ) 姑(しゅうとめ)も最初は嫁に好い顔をするが、長くは続かない。
・嫁は下から婿は上から(よめはしたからむこはうえから) 嫁は自分より家柄の低い家から迎えるのが良く、婿は家柄の高い家から迎える方が良いということ。 類:●嫁は座敷から貰え婿は庭から貰え●嫁は台所から婿は玄関から
・読める(よめる) 1.読むことができる。 用例:滑・浮世風呂−前「おれに読(ヨメ)ねへから誰にも読まい」 2.その意を悟(さと)る。合点が行く。理解できる。分かる。 用例:浮・好色一代男−六「此中の御仕方惣じてよめぬ事のみ」 例:「ははあ。読めたぞ。」 3.数えることができる。4.内容があったり、面白かったりして読む価値がある。 例:「彼の作品はなかなか読めるよ」 ★「よむ(読)」の可能動詞<国語大辞典(小)>