−よの(yono)−
・世の〜(よの〜) 「天下周知の」という意味で、程度が甚だしいことの形容。大変な〜。この上ない〜。またとない〜。 用例:竹取「世のかしこき人なりとも」
・世の覚え(よのおぼえ) 世間の評判。声望。
・余の儀(よのぎ) 他のこと。別の理由。別事。 例:「余の儀にあらず」 ★「余の儀にあらず」など否定表現を伴って、ほかのことではなく、などの意で、以下に述べることを取りたてて強調するのに用いる語<国語大辞典(小)>
・夜の悉(よのことごと) 一晩中。夜通し。 類:●終夜●よもすがら 用例:万葉−一五五「夜(よる)はも夜之尽(よのことごと)昼はも日のことごと」
・世の例(よのためし) 1.以前からあって、現在思い出される事柄。また、これから人々の口の端に語り継がれていくであろう事柄。世の前例。また、世の中に手本となる事柄や故事。 用例:源氏−桐壺「世のためしにもなりぬべき御もてなし也」 2.世の中の慣わしや習慣。世の赴(おもむ)くところ。 用例:徒然草−一三七「目の前にさびしげになりゆくこそ、世のためしも思ひ知られて哀なれ」
・世の常(よのつね) 1.特別ではなく、ごく普通であること。また、そのような時。 類:●一通り●世間並み●平常●平素●尋常 例:「人の盛衰は世の常だ」 2.並みの言葉では事態を十分に表現できない。〜というのでは不十分。〜どころではない。〜は愚か。 用例:源氏−葵「ただ、それなる御有様に、あさましとは、よのつね也」
・世の中改まる(よのなかあらたまる) 世の支配者・統治者が代わる。新しい御代になる。治世が変わる。
・世の中は相持ち(よのなかはあいもち)[=世は〜] 世の中は互いに助け合うことによって円満に事が運ぶ。 類:●相身互い
・世の中は九分が十分(よのなかはくぶがじゅうぶ) 世の中のことは、100%自分の思い通りにはいかない。望んだことの九割方が叶(かな)えば満足すべきだということ。
・世の中は三日見ぬ間に桜かな(よのなかはみっかみぬまにさくらかな) 桜の花が咲く頃は、三日も見ないでいるとすぐに満開になっていたり、散ってしまっていたりする。そのように、世の中の移り変わりは激しいものだということ。 出典:大島蓼太(おおしまりょうた)の句 ★「世の中は三日見ぬ間に桜かな」として流布しており、桜の花がすぐに散ってしまうように世の中の移り変わりは激しい、の意味で言われる。
・世の中は盲千人目明き千人(よのなかはめくらせんにんめあきせんにん) 世の中には無知な者もたくさんいるが、眼識を備えた者もかなりたくさんいるということ。 類:●盲千人目明き千人
・世の習い(よのならい) 世間で普通のこと。世間の習わし。世間の習慣。 類:●世の常●世習い 例:「弱肉強食は世の習いだ」
・夜のほどろ(よのほどろ) 1.「ほどろ」は明け方のこと。夜がほのぼの明ける頃。 類:●未明 2.「ほどろ」が「程」に誤解されて、夜の頃。夜分。