−よる(yoru)−
・寄ると触ると(よるとさわると) 一緒に寄り集まる度に。機会さえあれば。何かというと。 例:「寄ると触ると悪口ばかり言っている」
・寄る年波には勝てぬ(よるとしなみにはかてぬ) 寄せ来る年月は、誰も止めることができない。人は、老いには勝てないものであるということ。多く、加齢に伴(ともな)って、以前は簡単にできていたことが難しくなってくるという場合に使う。 ★「年波」は、年がつみ重なっていくことを波が幾重にも寄せるのにたとえていう語。また、年が寄ることを波がおし寄せるのにたとえてもいう<国語大辞典(小)>
・夜の衣を返す(よるのころもをかえす) 夜の衣を裏返しに着て寝る。 用例:古今−恋二「いとせめて恋しき時はむばたまの夜の衣を返してぞきる」 俗信:こうすると、恋しい人に夢で会えると言われていた。
・夜の蝶(よるのちょう) 1.夜に舞い込んできた蝶。俗に、不吉の前兆とされた。 2.水商売の女性を、夜の世界の華やかな蝶に喩えて呼ぶ。バーやキャバレーで接客する女性。ホステスなどのこと。
・夜の帳が下りる(よるのとばりがおりる)  夜が暗くなる様子を、帳(=たれぎぬ)が下りたことに喩えていう言葉。夜になること。
・夜の鶴(よるのつる) 1.夜半に鳴く鶴。2.子を思う親の愛情が切であることの喩え。 類:●夜鶴(やかく)子を思う●焼野の雉子(きぎす)夜の鶴 出典:白居易「五絃弾」「第三第四絃冷冷、夜鶴憶子籠中鳴」から、
・夜の錦(よるのにしき) 夜に美しい錦の着物を着てもその美しさが分からない。その甲斐がないこと。一向に映(は)えないこと。また、その効果を示すことができず、惜しいものごとの喩え。 類:●闇夜の錦 用例:古今−秋下「見る人もなくて散りぬる奥山のもみぢは夜の錦なりけり」
・夜昼あって立つ世の中(よるひるあってたつよのなか) 夜だけでも、昼だけでも困ってしまう。正反対のものがあってこそ、世の中はうまくなり立つものだということ。
・夜を昼になす(よるをひるになす) 夜の時間でも昼の時間と同じように行動するということで、昼も夜も休まずにものごとを行なうこと。昼夜兼行で行なう。 類:●夜(よ)を日に継ぐ