−よう(you)−
・用ある時の地蔵顔、用なき時の閻魔顔(ようあるときのじぞうがお、ようなきときのえんまがお) 人は勝手なもので、何か人に頼み事があるときにはお地蔵様のように優しいにこにこ顔をするが、お呼びでないときには閻魔様のように無愛想(ぶあいそう)な顔付きになるものだということ。 類:●借る時の地蔵顔、済す時の閻魔顔
・用意周到(よういしゅうとう) 用意が遍(あまね)く行き届いて、少しも手抜かりがないこと。 類:●手回しが良い●準備万端(ばんたん)
・用が足りる(ようがたりる) 役に立つ、間に合うという意味で、目的や仕事を処理するのに役立つこと。また、自分一人でやれるとか、用便を済ませられるということ。
・腰間の秋水(ようかんのしゅうすい) 「秋水」は、曇りなくとぎすました刀のこと。腰に差した利刀のこと。
・陽気発するところ金石また透る(ようきはっするところきんせきまたとおる) どんな困難も精神を集中して行なえば、打ち勝つことができる。
・養虎(ようこ) 虎を飼うこと。転じて、不安を将来に残すことや後日禍(わざわい)となる敵を許すことの喩え。 出典:「史記−項羽本紀」「此所謂養虎自遺患也」
・楊枝一本削ったこともない(ようじいっぽんけずったこともない) 細工仕事に慣れていない、また、細かい仕事に不器用(ぶきよう)である。
・楊枝で重箱の隅をほじくる(ようじでじゅうばこのすみをほじくる)[=突付く] ⇒ 重箱の隅を楊枝でほじくる
・楊枝に目鼻を付けたよう(ようじにめはなをつけたよう) 痩せた人の比喩。
・陽春白雪(ようしゅんはくせつ) 昔、中国の楚で最も高尚とされた歌曲。「陽春白雪の曲に和する者少なし」などといって、優れた人の言行は凡人には理解され難いという場合に使う。
・擁書万巻(ようしょまんがん) 蔵書が非常に多いこと。 類:●汗牛充棟(かんぎゅうじゅうとう)
・楊枝を違える(ようじをちがえる・たがえる) ごく小さな間違いを犯す。
・用心棒(ようじんぼう) 1.万一の場合、身を守るために備えておく棒。2.締めた戸を中から押えるための棒。新開(しんばり)棒とも。3.転じて、護衛のために雇(やと)っておく従者。特に、博徒(ばくと)などが、警戒のために抱えておいた武芸者のこと。
・要するに(ようするに) つまり。結局。掻い摘んで言えば。それまで述べてきたことを要約して再び述べるときに言う。
・壅塞阻止(ようそくそし) 塞(ふさ)ぎ阻(はば)むこと。塞いで隔てること。 類:●壅阻
・陽台不帰の雲(ようだいふきのくも) 一度契(ちぎ)りを結んだだけで二度と会うことができないこと。「陽台」は、南の丘の上の意味。 出典:宋玉「高唐賦」 参考:朝雲暮雨
・用立てる(ようだてる) 1.役立たせる。用に立たせる。使う。2.他人の用に供する。金銭などを貸す。立て替える。 例:「金を一時用立てる」
・夜討ち朝駆け(ようちあさがけ) 夜に攻め、また朝にも攻めるという意味から、晩に人の家を訪問し、翌朝にもまた同じ人を訪ねるということ。 例:「頼み事を聞いて貰うために夜討ち朝駆けをする」
・蝿頭(ようとう) 蠅(はえ)の頭のこと。 1.細かい文字。細字。2.僅かの利益。小利。 類:●雀の涙
・羊頭狗肉(ようとうくにく) 「羊頭を掲げて狗肉を売る」の略。 類:●看板に偽りあり●羊皮虎皮(ようひこひ)●牛首(牛頭)を揚げて馬肉を売る 反:■看板に偽りなし 出典:「後漢書」・「無門関」・「晏子春秋」
・陽動作戦(ようどうさくせん) 真の目的を隠して敵の判断を誤らせるための作戦。相手の注意を逸(そ)らすために、態(わざ)とある行動を目立たせて、自分の目的を達成しようとする作戦。
・羊頭を掲げて狗肉を売る(ようとうをかかげてくにくをうる) 看板には羊の頭を掲げておきながら、実際には犬の肉を売る。表面と内容が一致しないこと、宣伝は立派でも内実がそれに伴わないこと。 類:●見掛け倒し●羊頭狗肉●牛頭を懸けて馬肉を売る 出典@:「無門関」「懸羊頭売狗肉」 出典A:「晏子春秋」「猶懸牛首于門、而売馬肉于内也」 ★「牛頭を懸けて馬肉を売る」からの転という。
・用に叶えば宝なり(ようにかなえばたからなり) どんなつまらない物でも、何かの役に立つならば、宝物のように価値のあるものだということ。
・陽に開く(ようにひらく) 積極的に出て行く。積極的に、相手に攻撃を仕掛ける。 反:■陰に閉ず
・様に拠りて胡蘆を画く(ようによりてころをえがく) 「胡蘆」は瓢箪(ひょうたん)のこと。様式にのみ頼って、真実みのない外形だけの瓢箪の絵を描くということで、表面の形状や先例を真似て、何ら独創的なところがないことの喩え。 故事:「続湘山野録」など 中国宋代、太祖は、尚書陶穀が起草した制誥詔令は「様によって胡蘆を描くものだ」として重んじなかったので、穀は「堪笑翰林陶学士、一生依様画葫蘆」と詠じて自嘲した。  出典:湘山野録(しょうざんやろく) 3巻・続録1巻。呉僧釈文瑩、字は如晦の編。北宋期読書人の逸事を集録したもの。禅林の記事を含む。編者の法系は明らかではないが、荊州金鑾寺に菴居していたときの作で、湘山の名のよるところとなった。『津逮秘書』十五、『学津討源』十七、『択是居叢書』初集等に収める。
・洋の東西を問わず(ようのとうざいをとわず) 東洋と西洋とを区別しないで。
・楊布の狗(ようふのいぬ) 外見の変化を見て、中身まで変わったと信じる者のこと。 故事:「韓非子−説林・下」 楊朱の弟の楊布は白い服を着て出掛けたが、雨に遭い黒い服に着替えて帰って来た。それを知らずに飼い犬が吠え立てた。楊布が怒って打とうとすると楊朱が「やめなさい。白犬が出ていって、汚れて黒犬になって帰って来たら、お前だって怪しむだろう」と諭した。
・容貌魁偉(ようぼうかいい) 顔付きと体付きが逞(たくま)しくて立派であること。 出典:「後漢書−郭太伝」
・揺籃期(ようらんき) 「揺籃」は揺り篭のこと。ゆりかごに入っている時期。幼年時代。転じて、ものごとの発展する初期の段階。 類:●揺籃時代
・要領を得ず(ようりょうをえず) ものごとの最も大切なところを得ない喩え。 ★衣服を手にするとき、着物の腰(要)と襟(領)を持つことから。 出典:「史記−大宛列伝」「騫従月氏至大夏、竟不能得月氏要領」<漢の武帝のとき月氏に使者として派遣された張騫(ちょうけん)は、ついに月氏の肝要なところを理解できずに終わった>
・要領を得る(ようりょうをえる) ものごとの大切な箇所をしっかりと把握(はあく)すること。 例:「あの大臣の答弁はまったく要領を得ない」 ★「要領を得ない」というように、打消しの形で用いることが多い<国語慣用句辞典(集)>
・用を足す(ようをたす) 1.用事を済ませる。 類:●用を弁ずる 2.小便をする。小(大)便を済ませる。
・俑を作る(ようをつくる) 良くないことを始めたり、悪例を作ったりする。 出典:「孟子−梁恵王・上」 昔の中国には、死者と共に木製や土製の人形(=俑)を埋葬する風習があり、これを、孔子が人を生き埋めにするようだとして憎んだ。
・用を成さない(ようをなさない) そのものの働きをしない。 類:●役に立たない 例:「こんなに遅れては時計の用を成さないない」
・用を弁ずる(ようをべんずる) 用事を済ませる。必要な事柄を処理する。また、必要とするものを準備する。