−ゆゆ(yuyu)−
・由々しい(ゆゆしい) 触れると重大な結果を齎(もたら)すので、触れてはならないこと。憚(はばか)るべきであるものごと。 1.神聖であるから触れてはならない。恐れ慎むべきである。 類:●恐れ多い●恐ろしい 用例:古事記−下・歌謡「由由斯伎(ユユシキ)かも白檮原童女(かしはらをとめ)」  2.穢(けが)れているので忌み避けねばならない。心配すべきことである。 類:●不吉である●縁起が悪い 用例:万葉−2893「忌忌久(ゆゆしク)も吾は嘆きつるかも」 3. 嫌な感じである。忌々(いまいま)しい。 類:●疎(うと)ましい 用例:落窪−二「翁の文見む事のゆゆしうて」  4.気掛かりである。心配である。 用例:蜻蛉−中「ゆゆしとおもふ人も、ただひとりいでたり、胸うちつぶれてぞ、あさましき」 5.そのままにしておくととんでもない結果を招(まね)き兼ねない。程度が甚(はなは)だしい。一通りでない。大変である。 類:●容易ならぬ 例:「由々しき問題」 用例:宇津保−祭の使「ゆゆしき物羨みをのみもとなん」 6.不吉に感じるほど優れている。怖いくらい美しい。非凡である。素晴らしい。立派である。 ★「ゆ(斎)」を重ねたものの形容詞化<国語大辞典(小)>