ピラフとチャーハンの違い

根本的違いは、主材料となる米の使い方。
簡単に言えば「ピラフ」はよく洗ったよく生米をバターなどで炒めるが、チャーハンは一度炊いた米を炒める。


味の違いは、ピラフはエビやチキンを入れて塩味にしたものが多く、チャーハンはシイタケやカニなどを入れて、醤油やチケップで味付けしたものが多い。

西洋風で歯ごたえあるのが「ピラフ」、中華風で軟らかいのが「チャーハン」。


詳しく、作り方の違いを書く。
「ピラフ」は、炊きムラが出来ないように、加えるスープは熱してから。ピラフは米を炒めてからスープを加えて炊き込む。そのため米は吸水性がよくなっているとともに、デンプンの一部もアルファ化している。したがって、冷たいスープを加えると、米はすぐにスープを吸収する。しかしそのスープが熱くなるまでには、鍋底の部分と上部では、熱が均一に伝わってこないため、時間差がでて、炊きムラができる。では、おいしいピラフを炊くには、
@洗米して30分〜60分ザルにあげ、十分水気をきる。A炒める(米カップ1杯に大さじ1杯のバター、または、マーガリン、サラダ油)
B 米に熱いスープを加え、熱が均一にになるようにひと混ぜする
C 炊く
D 蒸らす
E 軽く混ぜる
これで、ふっくらピラフの出来上がり。

「チャーハン」は、ご飯の表面がカリッとしていることがよいチャーハンの条件。そのためには、鍋を十分に熱して油を加熱したら、溶いた玉子を入れる。軽くかき混ぜ、玉子がやや固まったときに、ご飯を加える。潰さないように炒め、あとは、水気の切った具を加え炒める。そして、塩・コショウを加え、さっと混ぜたら、ご飯を中央に寄せ、まわりの熱い鍋肌から醤油を加え、泡だって香ばしいにおいがしたところを、ご飯全体に混ぜ、出来上がる。
ポイントは、最初の玉子である。玉子が固まるとき油は玉子に吸い込まれるが、ご飯を炒めるとき、この油が少しずつ出てきて、ご飯の表面についていく。そして、余分な油は玉子の中に残ったままになる。つまり、玉子は油引きのような役割を果たすのである。
ついでに、最後の醤油だが、これは、味付けではない。香ばしいにおいをつけるのである。醤油には、アミノ酸と糖分が含まれているが、これが強く熱せられると、アミノカルボニル反応という化学反応を起こし、メラノイジンという名前の、たいへん香りのよい成分ができる。この香りは、食欲をたいへん増進させることが知られている。ご飯の上に醤油をかけてしまうとメライノイジンは出来ず、醤油の水分でベトつくうえ、香ばしさのないチャーハンになってしまうから、注意が必要である。

戻る