−あふ(ahu)−
・泡銭(あぶくぜに) たいした苦労もしないで得た金銭。また、悪事や賭博(とばく)で手に入れた金銭。 類:●悪銭
・阿付迎合(あふげいごう) 「阿付」は、おもねること、「迎合」は、へつらうことで、人に気に入られようとしてそのその人の言い成りになり、おべんちゃらを言う。 類:●取り持ち屋●茶坊主●迎合(あど)を打つ●米搗(つ)き飛蝗(ばった)●太鼓持ち●阿諛(あゆ)迎合●提灯(ちょうちん)持ち
・危ない橋を渡る(あぶないはしをわたる)
・危なきこと累卵の如し(あぶなきことるいらんのごとし) 累卵=卵を積み重ねること。建造物などが、極めて不安定で危険な状態にあること。
・虻蜂取らず(あぶはちとらず)
・油売り(あぶらうり) 1.油を売り歩くこと。また、その行商人。2.怠け者。 ★藍色の綿服に、渋染めの、胸当てと前垂れ兼用のものを掛け、油を入れた丸桶をてんびん棒でになって、夕刻から売り歩いた<国語大辞典(小)>
・油が切れる(あぶらがきれる) 1.機械などの油がなくなる。魚などの体から脂肪分が抜ける。2.精力が続かなくなる。元気がなくなる。 例:「油がきれて動けない」
・脂が乗る(あぶらがのる) 1.魚などが脂肪分に富んで、最も食べ頃である。旬である。 例:「夏の鰺は油が乗ってうまい」 2.女性の肌が弾力や潤いに富んで、最も盛りの頃である。 例:「脂の乗った女優」 3.興味を覚えて乗り気になる。調子が出てきて面白いように捗(はかど)る。 例:「涼しくて勉強に脂が乗る」
・油紙へ火のついたよう(あぶらがみへひのついたよう) 良く喋(しゃべ)る。 類:●鉋屑(かんなくず)へ火がついたよう
・油尽きて火消ゆ(あぶらつきてひきゆ) 油が切れると火も燃えられない。根源となるものが尽きると、それによってもたらされるものごとが自然に消滅するという喩え。また、生命力の盛んな若い時には煩悩に迷うが、年をとると次第に落ち着きを得るという場合にも使う。
・油壺から出したよう(あぶらつぼからだしたよう)[=出たよう・出すよう] つやつやとして美しい。
・脂に画き氷に鏤む(あぶらにえがきこおりにちりばむ) 脂の上に絵を描き、氷に彫刻 をしても、やがては溶けて消えてしまう。努力をしても報われず、徒労(とろう)に終わってしまうことの喩え。「鏤む」は彫刻するの意。 類:●氷に鏤め水に描く●水に絵を描く●行く水に数書く●骨折り損のくたびれ儲け 出典:「塩鉄論−殊路」「雖有賢師良友、如画脂鏤冰、費日而損功」
・油虫(あぶらむし) 1.半翅(はんし)目、アブラムシ科に属する昆虫の総称。俗称ありまき。2.蜚(ごきぶり)の異名。3.家蝙蝠(いえこうもり)の異名。4.人に付き纏い、害を与えたり、無銭で飲食、遊楽などしたりするのを常習とする者を罵っていう。 類:●集(たか)り 5.遊郭などでひやかしの客。 類:●ひやかし
・油を売る(あぶらをうる) 仕事を怠(なま)けて無駄話をする。また、仕事の途中で時間を潰して怠ける。 ★江戸時代、髪油を売り歩く者が婦女を相手に話し込みながら商ったところから<国語大辞典(小)>
・油を掛ける(あぶらをかける)[=言う] 煽(おだ)てる。お世辞を言って扇動する。
・油を差す(あぶらをさす) 火に油を注いで火勢を盛んにさせる。元気付ける。また、人を扇動する。煽(おだ)てる。 反:■水を差す■冷や水を掛ける
・油を絞る(あぶらをしぼる) 油を取る時、搾木(しめぎ)に掛けて押し潰(つぶ)すところから。 1.骨身を削るような苦労を重ねて金銭を手に入れる。2.他人に散々苦労させて、その利益を自分のものにする。3.人の失敗や欠点を厳しく叱って懲らしめる。 類:●とっちめる●油を取る
・油を注ぐ(あぶらをそそぐ) 人の感情や行動を更に煽り立てる。誉めそやして煽(おだ)てる。 類:●火に油を注ぐ
・油を取る(あぶらをとる) 1.煽(おだ)てる。おべんちゃらを言う。2.仕事などで、手を抜く。骨惜しみをして怠(なま)ける。
・油を乗せる(あぶらをのせる) 1.相手の気に入るようなことを言う。おべっかを使う。2.調子に乗って、ものごとを誇張して言う。
・炙り出す(あぶりだす) 1.火で炙って、書かれている文字や絵を現し出す。2.主に受け身の形で、他方面からの考察や照合で、隠されていることを明らかにする。
・溢れる(あぶれる) 1.余って零(こぼ)れる。また、必要とされずに散らばっている。点在する。 用例:平家−二「淀、羽束師、宇治(中略)芹生の里とあぶれゐたるつはもの共」 2.脱落してはみ出す意味から、零落(おちぶ)れる。また、零落れて放浪する。 用例:源氏−東屋「見苦しきさまにて世にあふれん」 3.法を外れてのさばり出る意味から、無法な振る舞いをする。暴れる。暴力を振るう。 用例:春雨物語「今はあぶれにあぶれて親も兄も谷の流れにけおとして」 4.余りものになる。仕事や獲物などにありつけずに終わる。 @仕事に有り付けない。買い手が付かないで、売れ残る。 用例:随・麓の色−三「おちゃをひくをあふれるといふはあまれるなり」 A狩猟や釣りで、獲物が捕れない。 例:「釣りに行ってあぶれた」 用例の出典:麓の色(ふもとのいろ) 随筆集。明和5年(1768)。飯袋子(はんたいし)撰。5巻。・・・調査中。